山口） 何といっても節電ニーズが圧倒的です。夏場の電力を下げる工夫や、一般的な省エネ対策についてお客さまから聞かれることが多くなりました。また、乾燥する冬場も、行政からインフルエンザ予防として加湿対策をするように指導されています。大橋） 重油の高騰はメロン農園経営にとって深刻な問題です。メロンは温度と湿度に非常にデリケートな果物です。特に冬場は、温熱が外に漏れないように囲いすぎてしまうと、室内の湿度が上がってしまい品質が落ちてしまいます。省エネと品質のバランスに苦労しています。松尾） それは、温室のガラス張り構造です。同様に、一年中温室でつくる茄子やトマトの設定温度に比べ、メロンは高温を維持しなければなりません。温室は、1枚のガラスでしか囲われていないので、熱が逃げるのが目に見えていました。超省エネの新しい温室をつくる研究会で、メロン農家の重油消費量が多大であることを知り、大橋さんに連絡を取らせてもらいました。片山） CAONSは、業務用給湯配管の放熱ロスを補うために開発したヒートポンプ循環加熱装置です。配管に接続してバルブを開くとすぐにお湯が出て、冷えた配管で熱を奪われることがないので、水の使用が少なく済みます。環境面と節電面で利点がたくさんあるシステムなので、他分野への展開を模索していました。3次産業から2次産業、そして1次産業の農水産業への展開を模索していく過程で、最初はいちごハウスでそれなりの効果を出すことができました。松尾先生からお話をいただき、今まさにメロン栽培にも試験導入しているところです。中西） 片山さんの言う通り、どの分野でも「環境と節電」というテーマがあることは確かです。環境＝CO2削減、節電＝震災以降の関心事でしょう。節電に関しては、何でもやみくもに電気の利用を避けるのではなく、私は上手に使うことだと思います。その点、エコキュートやヒートポンプは、現代の救世主といっても過言ではありません。商品企画を進める上で、分野横断的な発想は大切だと思います。山口） 工場は省エネ法（エネルギーの使用の合理化に関する法律）の観点から、エネルギーを削減することによるCO2の削減を検討していかなければならない時期にきています。特に、蒸気ボイラーなどの熱源設備からの燃料転換や、電化式への熱源転換が注目され、電化式転換としてはCAONSが最適でしょう。たとえば、大規模工場では、蒸気ボイラーは一番端に設置されるのがほとんどですから、大きい工場ほど配管でのエネルギーロスが大きくなります。配管を巡らせるより、適宜近くにCAONSを置いて加温するのが理想ということですね。松尾） 熱エネルギーは、輸送すると損失が大きくなるので、使う場所で熱をつくったほうが効率的です。つまり、熱の地産地消ですよ。電気も集中型の大きな発電所でつくっていたものを太陽光、風力などにより分散化し、それをネットワーク化して使う流れになっていくと思います。バランスの取れた熱エネルギー利用という観点から、工場でも「自律分散」が中央制御される形への移行は、さらに進むでしょう。大橋） 3年前から一部の熱心な農家が温風のヒートポンプを導入していました。しかし、温風はどうしても室内温度にむらができてしまいます。今回の試みは、ヒートポンプで温水をつくるという方法なので、使い勝手に変わりがないため、農家としても取り組みやすいと思いました。片山） お湯をつくる熱源はボイラーに加えてヒートポンプを付けるだけです。温水で暖房することに変わりないので、既存の設備を流用でき、初期投資も軽減できるメリットがあります。中西） とにかくキーワードは熱源転換ですから、ボイラーを使っているBALANCE特集❷ 誌上座談会MELOX静岡 ： 静岡県温室農業協同組合は、温室マスクメロン専門の農協です。静岡県の温室メロンは、スリークォーター型といわれるメロン栽培専用のガラス温室を利用し、四季を通じて生産されています。南側の屋根の面積が大きく、太陽高度が低い冬の時期でも、光を最大に取り入れる工夫がなされています。ヒートポンプ・ソリューションカンパニー、活躍領日ごろからお客さまと接していて、業務用の空調機器に対する要望に変化はありますか。その点に関して、大橋さんが感じていることはありますか。松尾先生がメロンの温室栽培でCO2排出量削減の可能性を見極めたきっかけは？片山さん、そこで、CAONSのお話ですが…。CAONSは、工場でのニーズが高まっているとお聞きしましたが？そのCAONSをメロン農園で試験導入したいというお話に対して、大橋さんはどのように考えましたか。15東芝キヤリアグループ 社会・環境報告書 201233環境調和型製品の提供Provision of Environment Conscious Products 提供环保型产品ね熱源転換が作るクリーンな未来（スタッフ部門／シゲさん） なながらテレビは 電気くう（関係会社／大竹口 秀博）
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