東芝キヤリア社会・環境報告書 2014年
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唐澤)「スマートコミュニティで社会の環境課題を解決していく」という使命から発足した東芝 コミュニティ・ソリューション社(以下、CS社)のグループメンバーで、こうして「環境座談会」ができるのは嬉しいですね。CS社の事業には、ビルファシリティや道路システムなどのコミュニティ・ソリューション事業、上下水道やリサイクルなどの水・環境事業があり、昇降機、照明、空調の各グループ企業が新社屋(川崎スマートコミュニティセンター)に集結し、協力体制が整いました。村上)照明や空調は省エネを実感しやすいですが、昇降機の省エネというとピンとこないかもしれません。実は、当社が開発したエレベーターは、省エネ率最大50%を実現しています。新設のエレベーターでこの数字以上の省エネを実現するのはハードルが高いと思います。昇降機の省エネについてはビル管理者が望んでいますが、利用者側は省エネより使いやすさや安全・安心を求めていると思います。綿引)その点、空調機器は省エネや節電を訴求しやすいですね。しかも、利用者にとって一番メリットになるところかもしれません。しかし、競合他社も同じように省エネを訴求するので、「省エネNo.1」をうたいつつ、他のメリットを加味していく必要があります。河野)賃貸の住宅に住んでいると、オーナーさまの意向もあり勝手にエアコンを省エネタイプに付け替えることは難しいですね。しかし、今の時代は電球をLEDに替えることができます。トイレ、お風呂、洗面所などで使用していた白熱電球を、LEDに替えることによって70%くらいの節電効果があるのです。たとえイニシャルコストが高くても、白熱電球からの交換はメリットが大きいと思います。唐澤)皆さんご存じのように、このビルには当社が開発した「スマートBEMS」が導入されています。昇降機、照明、空調など、それぞれの機器自体は省エネですが、それらを効率よく使うことが大切になります。最先端のセンサー技術や制御技術などを応用したBEMSで、ビル全体のエネルギー使用量を削減するようにしています。自分たちの日常からデータを取り、より良いエネルギー効率を求めて実証検証を続けているということですね。村上)新社屋ではそのようなエネルギー管理ができるようになりましたが、私たちは以前から昼休みに事務所の消灯を行い、節電対策をしています。移転後数ヵ月の実績ですが、旧本社ビルと比べ、3分の1くらいまで電力消費量が下がったようです。当社では全国規模で昼休みの消灯を行っています。また、この新社屋にも50%の省エネを達成したエレベーターが2基導入されています。河野)当社は老朽化した設備を見直すときに、省エネタイプへの交換を徹底しています。また、村上さんが言われたように、事務所内の不要な照明やOA機器の電源を切ることを習慣づけています。製造工程でも、2010年に白熱電球の製造をやめてLEDに切り替えた際、当初、火力を使って白熱電球製造を行っていたころから比べると、組み立て製造中心のLEDは、工程における省エネにも貢献していることになります。綿引)私が勤務している富士事業所では、業務用で使用される大形空調機器の開発がメインで、試験の工程で多くのエネルギーを使います。新しい設備を導入するときは、省エネ技術が進んだものを積極的に取り入れるようにしています。皆さん同様、事務所の消灯も富士事業所だけではなく、全国の各事業所で実施しており、節電をはじめとする環境対策効果は着実に上がってきているようです。また、環境活動の一環として、富士事業所には小規模なビオトープが完成しました。これは、生物多様性保全活動の取り組みとして以前から計画し、完成後はメダカが生息したり、カルガモ親子が訪れたり、季節の植物が咲いたりしています。河野)当社でも、生物多様性保全活動には積極的です。各地の工場で身近な活動を行っています。その一つが希少生物の保護です。静岡県の沼津工場では、植生調査で自生植物のキンラン、ギンラン、タシロランなどが見つかりました。その後の保全活動により、順調に株数を増やしています。そのほか、栃木県の鹿沼工場でもオオチゴユリの自生が見つかり、保護を開始したところです。横須賀本社事務所では、三浦半島の小網代に自生するハマカンゾウの生息域外保全や、愛媛県の今治事業所ではデンジソウ、絶滅宣言が出たトチカガミが見つかり、保護を開始しています。各社の製品がエネルギーの節約にどのような形で貢献しているかをお聞かせください。仕事において普段から心掛けている節電への取り組みをお聞かせください。他3社の生物多様性保全活動はいかがでしょうか。東芝エレベータでは、ビルマネジメントの未来を体感できるキャラバンカーを開発しました。創エネ・蓄エネからセキュリティまで、次世代のビルマネジメントを分かりやすく専用トラックに搭載。次世代のビルマネジメントの臨場感をお客さまにデモンストレーションしています。業務用エアコンを中心に開発・製造を行う国内最大拠点の富士事業所では、「電力の見える化」を進めています。お客さまの消費電力を最小限に抑える省エネ製品を開発し、試験を実施しています。大きなエネルギーを把握したり、製造時の無駄な電力を監視したりするために、「電力の見える化」は重要なシステムです。東芝ライテックでは、三浦半島小網代の谷で盗掘被害が多かったハマカンゾウを、2012年5月、横須賀事業所に28株移植しました。移植して数ヵ月で2株が開花し、2014年5月には100株まで増やすことに成功。小網代の谷に返還した後は、順調に野生回復しています。東芝の府中事業所およびその周辺は、今でもたくさんの自然とふれあうことができます。また、事業所内にあるビオトープには鳥や昆虫が訪れ、四季を通じてさまざまな草花を観察することができます。このような情報を随時Facebookで公開し、生物多様性保全活動の情報交換の場としています。府中事業所の生物多様性保全活動の取り組みビルマネジメントの未来を体感できる「未来キャラバン」「電力の見える化」の推進小網代の谷から希少植物のハマカンゾウを移植東芝 コミュニティ・ソリューション社東芝ライテック(株)東芝エレベータ(株)東芝キヤリア(株)東芝公式Facebookハマカンゾウを工場内緑地に移植ビルファシリティ 未来キャラバン「電力の見える化」確認中9東芝キヤリアグループ 社会・環境報告書 2014をお互いの 胸襟開く クールビズ(スタッフ/小城 拓也) わ分ければ資源、捨てればゴミ、分別やってゴミゼロ活動(生産部門/taka39) 

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