東芝キヤリア社会・環境報告書 2014年
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村上)当社も各事業所の環境担当や植物好きの人が中心となり、生物多様性マップをつくるなどの活動を行っています。しかし、それ以上に活発なのは海外での活動です。中国では地元の野生動物保護のNPOに薬を寄付し、多くの野鳥を保護したことが地元のマスコミにも取り上げられました。そのNPOの協力を得て、事業所内で国家指定保護動物のハヤブサを保護する活動も行っています。このような活動は、日本でも見習うべきだと思います。唐澤)府中事業所では、北端にビオトープをつくっています。ビオトープ自体は小さな池ですが、モニタリングに力を入れているところが特徴です。府中事業所にいる自然観察指導員の資格をもった人が、モニタリングメンバーになっています。府中事業所には自然観察指導員の資格取得者が多く在籍していることから、そのメンバーが月に一度のペースで集まり、事業所内の生態系調査活動を行っています。また、調査結果を東芝公式Facebookやホームページで公開し、地域全体の生物多様性保全活動に役立てるなど、情報発信に力を入れています。河野)なるほど、それは素敵なアイデアだと思います。「春、こんな花が咲きました」「秋、トンボを見かけました」。このような四季折々の自然情報や、モニタリングで得たデータがFacebookで公開されれば地域の人たちもきっと喜ぶでしょうね。これはCSR的な観点で、地元地域はもちろん、さらに広いコミュニティとつながり、素晴らしいコミュニケーションツールとして発展していくような気がします。綿引)私も時代にマッチした環境活動の進化形のようで、新鮮でおもしろいと思いました。企業としての環境保全活動だけではなく、個人が今取り組んでいることや、これから取り組んでいきたいことも情報発信する時代なのかもしれませんね。綿引)私は特に東日本大震災以降、エアコンを使うときの温度設定に気を配るようになりました。また、扇風機とエアコンを上手に組み合わせて、個人の節電を心掛けています。村上)確かに東日本大震災直後の夏は、誰もが強く節電を意識したと思います。計画停電という聞き慣れない言葉が登場し、電車の本数も減り、駅や娯楽施設でも必要最小限の電力でまかなっていましたね。私の住まいでも計画停電で照明が消え、エレベーターも止まり、11階の自室まで階段利用を経験しました。今、節電の大切さを、身をもって知らされたことを思い出しました。また、私は個人の環境活動をネットワークで共有化した方がよいと思っています。住まいのある地域の市民環境会議に参加しようと思っているところです。そこでの内容は、子どもたちへの教育や啓発活動、実際の生物多様性保全活動も体験できます。河野)3.11の震災当時、私は四国に勤務していたので、その切迫感は皆さんほどではありませんが、東京出張の際「今日の電力使用量」が車内表示されていたのが印象的でした。電車やエレベーターが止まらないか、心配しましたね。唐澤)コミュニティやその中の一人ひとりが、環境についてもっと考えなければならない状況です。私は、CS社、そしてCS社を構成する各社が協力してやらなければならないこと、協力してできることがたくさんあると思います。河野)「エネルギーの見える化」をよく耳にしますが、「見えた次は管理する」ことが大切でしょう。われわれCS社グループは、個々に素晴らしい製品を送り出しています。今までは、それらがどのように使われているか見えればよかったのですが、これからは、「管理や制御」を絡めた製品価値をしっかりと利用者に伝え、省エネに貢献していくべきだと思います。それを実践できるのがCS社グループではないでしょうか。綿引)そうですね。空調システムだけでも「管理や制御」が可能ですが、ほかの製品と合わせてトータルに制御していくことで、全体として効果的な省エネを追求するべきだと思います。これからは、それがテーマになることは間違いないでしょう。村上)当社は2種類の「キャラバンカー」を所有しています。マンションやビルをリニューアルするプランのデモを行うものと、次世代のビルマネジメントを体感できるものです。これを皆さんの会社の製品を絡めた訴求に活用していければと思いました。CS社がリードし、3社協同で行えば相乗効果が出ると思います。唐澤)まったく違う事業を行っている各社がせっかく一緒になったので、CS社としてもシナジー効果を出せるように施策を考えているところです。スマートコミュニティもここ数年の実証実験を終え、次の段階に移行しているところですから、環境的な観点をしっかり踏まえた事業連携を加速させていきましょう。そして、実行した成果を広くお伝えできればよいと思います。個人的な節電対策や、これから各社で協力できることについてお聞かせください。左から、唐澤、綿引、村上、河野(敬称略)昇降機、照明、空調、それぞれの分野で先進性を追求する各グループ会社。そして、コミュニティの中でエネルギーの在り方などを提案していくCS社。皆が、コミュニティ・ソリューション事業を通じて役割を認識し、それぞれの強みを発揮できる体制が整いました。環境面でも協力体制を充実させ、これからの活動に反映させていく意気込みが感じられました。まとめ特集 節電② 誌上座談会10東芝キヤリアグループ 社会・環境報告書 2014かカーテンは夏はいつでもゴーヤかな(関係会社/ユキ) よ夜更かしの電気代もったいない心掛けよう早寝早起き(関係会社/くみっきー) 

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