東芝キヤリア社会環境報告書 2015年
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がおかしくなってきた。悲鳴をあげている!インターネットのSNSでさまざまな情報のやり取りをしている彼らの最近の話題は、それぞれの国の気候について。経験したことのないような気象が、自国で観測されているようです。東南アジアを直撃する大型台風、ブラジルの干ばつによる穀物被害、北米をすっぽり包んだ大寒波、そして日本でも珊瑚の白化で美しい海が危うくなり、ケイスケ君の胸騒ぎは日々エスカレート。それぞれの国の気候が「なんか変だ」では済まされないような状況です。The Earth is getting warmer, and our climate is changing.地球变暖,气候已变得异常。えっ、こんなにリスクがいっぱいあるの?省エネでCO2排出抑制、空調の冷媒にも工夫を〈8つの主要リスク〉 1)海面上昇、沿岸での高潮2)大都市部への洪水3)極端な気象現象によるインフラ機能停止4)熱波による死亡や疾病5)気温上昇や干ばつによる食糧安全保障6)水資源不足と農業生産減少7)海洋生態系の損失8)陸域と内水の生態系がもたらすサービスの損失「温暖化」と聞くと「暑い」を想像しますが、逆に強烈な寒波を引き起こす場合もあり、アメリカ東海岸の北部地方も大寒波に見舞われました。この原因は、北極・南極上空にある極渦※が不安定になるためだと言われています。極渦の異常の原因も地球温暖化と考えられ、温暖化による寒冷化が進んでいくのかもしれません。驚いたよ、ケイスケ!ナイアガラの滝が凍ったんだって。従兄弟のハリーが見てきたらしいよ。そのニュースは、こっちでも衝撃的に伝えられたね。それにしても、アメリカ北東部の寒波はすごいね。ブラジルでは、過去にも干ばつでコーヒー生豆が不作の年があったけど、2014年は過去60年で最も厳しいという話が出ているよ。※極渦(きょくうず):極域の成層圏で晩秋から春にかけて発生する強い西風に囲まれた巨大な低気圧性の渦のこと。※1 IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)国連気候変動に関する政府間パネル※2 RCP(Representative Concentration Pathways)代表濃度経路シナリオ環境省「STOP THE 温暖化2015」より温室効果ガスの中でも特にCO2は、化石燃料の燃焼などによって膨大な量が人為的に排出されています。CO2削減のために、国、自治体、事業体など、ある程度大きな視点で取り組むべきことと、家庭や個人の身近な単位で取り組むべきこと、この両方の視点で省エネに取り組んでいかなければなりません。世界的には、車のエコ化や再生可能エネルギーの利用を促進する国がたくさん出てきており、日本でも、会社や自治体が省エネ活動を積極的に実施し、一般の家庭生活でも個人の省エネ意識はかなり定着しています。また、空調機器に使用される冷媒も地球温暖化に影響することから、地球温暖化係数の低い冷媒を使用するとともに、CO2を大気中に排出させない取り組みが展開されています。ブラジルといえばコーヒー生豆の生産量世界第1位。日本も大量の豆を輸入しています。干ばつになるとコーヒー生豆が不作になり、農園の経営にダメージを与える事態になりかねません。さらに、長期間にわたり雨が異常に少ない状態が続くと、土地が砂漠化する恐れもあります。このような深刻な事態も地球温暖化が原因と考えられています。ラジルでは…アメリカでは…4東芝キヤリアグループ 社会・環境報告書 2015は早寝して 輝く星空 明るい未来(関係会社/隊長) に日中の光を集めた常夜灯(関係会社/かつ)

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