東芝キヤリア社会・環境報告書 2016年
2/32

2015年12月に行われた気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で締結された「パリ協定」では、地球温暖化を抑制するために、日本を含む世界各国が温室効果ガス排出削減目標を定め、ともに努力していくことを宣言しています。日本は、2030年に向けて2013年度比で26%のCO2削減を目指しており、各業界で対応を進めています。東芝キヤリアグループは、エクセレントECP※1をはじめとする環境調和型製品をグローバルに提供することにより、最小限のエネルギー使用で地球全体の温暖化を緩和するだけでなく、それらを製造する際の環境負荷も最小限に抑えることを目指しています。また、地球温暖化係数の低い冷媒を使用した空調機器、給湯機器、コールドチェーン機器の開発を進める一方で、お客さまが設置している既存の設備から廃熱される冷温熱を再利用できる熱回収型の機器を開発、提供していくことで、地球温暖化抑制に貢献します。東芝キヤリアグループでは、国内拠点はもとより、海外拠点でも「地球温暖化抑制」「資源有効活用」「化学物質管理」を念頭に、環境負荷を最小限に抑えた「モノづくり」を進めています。2015年度は、「地球温暖化抑制」に寄与する施策として、各拠点の「空調設備の高効率化」「LED照明への転換」に加え、「エネルギーの見える化」や、自社のCAONSシリーズを活用し、ボイラーから転換することでCO2を削減しました。「資源有効活用」では、廃棄物のリサイクルとして、発泡スチロールを溶融し、その後固形燃料に成形して売却することで、熱エネルギーとして再利用をしています。また「化学物質管理」では、コンプレッサーや筐体の塗装工程に「粉体塗装技術」を取り入れ、VOC※2の大幅な削減を図りました。それぞれの拠点が情報を共有することで、効果のある施策をお互いに取り入れ、環境負荷の低い事業活動を推進しています。2010年に名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)では、「愛知目標」が採択されました。ここでは、2020年までの短期目標として、“生物多様性の損失を止めるための行動を起こすこと”を掲げています。生物多様性保全によって、人はその恩恵を受け、未来の地球を豊かにします。東芝キヤリアグループでは、2009年度から国内の3拠点で「生物調査」「ビオトープ構築による絶滅危惧種の保護」「自然観察会開催」などの生物多様性保全活動を行ってきましたが、2015年度からは、海外の拠点でも近隣の企業とともに小学校で環境イベントを開催したり、マングローブなどの絶滅危惧種の植樹をしたりするなど、身近でできることを模索しながら活動を進めています。また、生物多様性保全のためには、グループ従業員が環境法規を遵守し、環境事故を起こさないことも必須と考えており、日々改正される環境法規の情報をいち早く取り入れ、確実に対応しています。地域の大学生との協働による小学生環境イベントは、今年度で5年連続の実施となりました。今回は、掛川開発センターで環境保全にかかわる施設を見学したり、生物観察を行ったりした後、「エコ・フラッグ(旗)づくり」を開催しました。小学生2チームが、それぞれの旗のもと、環境活動を通じて心を一つにするという企画です。一方、グループ内では、「ecoスタイルリーダー」を2017年度までに100名養成することを目指しています。「ecoスタイルリーダー」の活動は、自然観察や「東芝グループ環境展」の見学を通じて他社の環境活動を体感するなど、環境意識の醸成を図るものです。最後になりますが、事業活動を通じて、東芝キヤリアグループを支えていただいている調達取引先さまや販売店さまをはじめとするステークホルダーの皆さまとともに、環境活動の輪を広げながら、グループ一丸となって、より付加価値の高い環境調和型製品をグローバルに提供していきたいと考えています。さまざまな施策で、事業活動での環境負荷を最小限にします地球内企業として、「パリ協定」批准を踏まえた環境調和型製品を提供します未来の地球のために「愛知目標」を睨んだ生物多様性保全活動を展開します環境活動の輪を広げながら、グループ一丸となって企業活動を展開しますIn keeping with our total commitment to environmental innovation, we will contribute to society and the global environment and provide environmentally conscious products worldwide作为环境创造企业,为社会与地球环境做贡献,并向全球提供有价值的环保型产品環境創造企業として、社会ならびに地球環 グローバルに提供していきます環境経営責任者メッセージTOP COMMITMENT※1 ECP: Environmentally Conscious Product(P12参照)※2 VOC: Volatile Organic Compounds(揮発性有機化合物)1東芝キヤリアグループ 社会・環境報告書 2016

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る