東芝キヤリア社会・環境報告書 2016年
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社会・環境報告書に対する第三者所見Observation by Third Party on Our CSR Report 第三方对社会·环保报告书的意见松尾先生、昨年度に引き続き第三者所見をいただき、ありがとうございます。中期テーマ「Sustainable Society」を設定し、2015年度は「地球温暖化」、今年度は「化学物質管理」を単年度テーマとしました。製品を製造し、提供している企業にとって、「化学物質管理」は、法規遵守が絡んでくる重要なテーマです。しかし、なかなか一般の方にはわかりにくく知られていません。「製品そのもの」および「製品を製造する過程」で、それぞれの「化学物質管理」をトピックスと座談会でよりわかりやすく表現するように心がけました。また今回は、当社の主力機種である大形熱源機「USXシリーズ」について、商品企画から保守・サービスまで各部門を紹介し、担当メンバーの思いを掲載しました。グループ従業員が地球環境を意識しながら、事業活動を進めていくことは、地球内企業として当然の義務であると考えています。今後も社内では「ecoスタイルリーダー」を養成しながら、小学生を含めた社外の皆さまにも環境活動の輪を広げていきたいと考えています。松尾 廣伸 (まつお ひろのぶ)静岡大学大学院総合科学技術研究科工学専攻電気電子工学コース 助教●プロフィール豊橋技術科学大学大学院 工学研究科修士課程 電気・電子工学専攻修了豊橋技術科学大学大学院 工学研究科博士後期課程 総合エネルギー工学専攻修了 博士(工学)現在、住宅における再生可能エネルギーの高効率利用、施設園芸における省エネルギー・低コスト化、住宅・建築物(キャンパス)における省エネルギー化と温熱環境などに関する研究に従事東芝キヤリア 環境推進担当責任者 社会・環境報告書2016 企画・編集長 佐々木 美弥 東芝キヤリアグループが4年間の中期テーマとして「Sustainable Society」を設定し、単年度ではT-COMPASSにある4つの視点をリンクさせていることから、各年度における取り組みを、私は今後もしっかりと見守るつもりです。そのような意味で、昨年の「エネルギー・気候変動問題」に続き、今年は「化学物質リスクの最小化」という中味の濃いテーマに着手したことは非常に興味深く感じました。メーカーとしての化学物質との向き合い方をはじめ、主な記載内容を中心に所見を述べさせていただきます。●特集①② トピックス・座談会について 化学物質とその管理は、一般の人には取っつき難い内容だと思います。それを、できるだけ平易な表現で、キャラクターを用いながらわかりやすく解説しているところが評価できます。特集①の前半構成では、製品の製造過程における化学物質の使用と、製品に含まれる化学物質とに分けて記載しており、身の回りに起きていることがイラストを交えて表現され、取っつき難さを解消していると思います。毎日お世話になっている物質も、摂取量、使用量、管理方法を間違えれば大変な事態になることの臨場感が伝わってきます。また後半部では、自社製品の化学物質の使用にも触れており、その姿勢には好感が持てます。 その流れで、特集②の座談会でも化学物質管理にかかわる東芝キヤリアグループの真摯な取り組みが伝わってきました。製品系、事業系、それぞれの観点から独自のシステムを取り入れている点や、分析センターでの緻密な作業が理解できます。さらに、RoHS指令10年という節目に、海外での規制をよく知るメンバーも加わり、座談会の充実度を高めていると思います。 私たちの快適な生活の影には、化学物質をはじめ、さまざまな問題が隠れています。一時の利便性のためだけではなく、長期的にコントロールしてこそ、初めて真の快適性が得られるのだと思います。「使わない勇気」を持つことも大切なのではないでしょうか。●製品紹介①②について 製品紹介②で取り上げているユニバーサルスマートXをはじめとして、すばらしい環境調和型製品を数多く開発・製造していることがわかります。この製品に関しては、企画設計から保守・サービス部門に至るまでの取り組みを紹介し、社内の流れがよく伝わってきました。各部門の活動は今後もぜひ継続していただき、少しでも高性能の製品をお客さまに選択していただけるよう、努力してほしいと思います。その結果、製品紹介①にあるように、さまざまな分野で活躍する製品が、空調消費電力の削減や資源の有効利用などの観点で地球環境に貢献すると思います。●生物多様性など、そのほかの環境活動報告について 私たちは多くの自然を破壊して現在を生きています。忘れがちになる自然環境を身近に感じることが可能な生物多様性保全活動は、ぜひ今後も推進し、多くの人々が触れられるように拡充を続けてもらいたいと思います。生物多様性にも関連しますが、感性の鋭い子どもの頃から自然に接しながら学び、経験を積むことは非常によいことです。今後の継続を期待するとともに、これまでの知見の公開、他大学などとの連携、社員とそのお子さまを対象にした展開など、大きな動きを目指すべきだと思います。また、環境活動全般を牽引する担い手として、ecoスタイルリーダーの皆さまの活躍の場が広がることを期待しています。 最期に、「化学物質管理」に続くテーマをいかに設定し、報告書に反映させていくか、来年度以降も楽しみにしております。中期テーマに基づく2年目の活動報告が理解できます。今後の展開に期待します。第三者による所見を受けて29東芝キヤリアグループ 社会・環境報告書 2016す捨てないで すすいで乾かし リサイクル(東北/せん)

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