東芝キヤリア社会・環境報告書 2016年
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PRTRの仕組み大枠分類構造部品冷媒系統部品圧縮機電気・電子部品冷媒付属品Pb○除外項目除外項目除外項目○除外項目Hg○○○○○○Cr(VI)○○○○○○PBB○○○○○○PBDE○○○○○○Cd○○○除外項目○○「○」は含有規制未満、「除外項目」は除外項目の含有ありJ-Mossの情報開示例排出量、移動量などの情報を国に提出(都道府県経由)営業秘密にかかわる情報は 直接国に提出  管理状況に対する評価個別事業所データの開示請求データ開示物質別、業種別、地域別個別事業所データなどの集計結果を公表事業者国民国都道府県一方、製品をつくる事業者は、提供する製品そのものやその製造工程で、よりリスクの少ない化学物質を選定し、使用を削減することはもちろん、製品使用後の廃棄やリサイクルの段階で、化学物質リスクを無くすための適正な情報を開示することがこれからの時代に求められます。 東芝キヤリアグループが提供している業務用空調機器をはじめとする製品や、その製造工程でも多くの化学物質とのかかわりがあります。例えば、ヒートポンプを利用した業務用空調機器には、熱エネルギーを運ぶ役割の冷媒が使用されます。冷媒は、液体が気化する時に周りの熱を奪う性質を利用して冷温熱をコントロールするもので、製品内で循環している時はリスクはありませんが、配管の劣化や廃棄時の不適正な回収によって大気に放出された場合、オゾン層破壊係数や地球温暖化係数の大きいものは、オゾン層破壊や地球温暖化を引き起こす原因となるため、フロン排出抑制法で厳しく規制されています。また、欧州のRoHS指令では、業務用空調機器の一部は大型家庭用電気製品に分類されており、RoHS禁止6物質※8に加え、新たに2019年からは、フタル酸エステル4物質の禁止となります。このため、これらの物質が含有していないか、含有している場合、除外項目※9に該当しているかなどを確認し、欧州に出荷する際には、指令を遵守するための厳しいチェックが必要です。私たちがお届けする製品においては、製品そのものにおいても、製造するプロセスにおいても、化学物質との関係がなくなることはありません。だからこそ、地球環境保全の将来を見据えた取り組みが大切であると認識し、地球内にある事業者としての使命を果たしていきたいと思います。  さまざまな取り組みがあります。製品にかかわるすべての化学物質規制の遵守が必須です化学物質を管理する仕組みが必要です 化学物質の規制は、従来は個別の物質ごとに規制を設けていました。しかし、産官民それぞれの立場から環境リスクを把握し、化学物質の排出削減に取り組んでいく必要が出てきました。つまり、化学物質の種類、発生源や発生量などを情報共有することが重要になり、同時に対策の効果を把握したり、化学物質の排出状況を定期的に追跡、評価したりすることが必要になりました。そのための新しい化学物質管理手法としてPRTR※6という制度が誕生しました。PRTRは、有害性化学物質の発生源や大気中に排出された量、さらに、廃棄物に含まれて事業所外に運び出されたかをデータとして集計し公表する仕組みです。日本では1999年、化管法※7により制度化されました。日本版RoHS指令「J-Moss」RoHS指令が特定化学物質の使用を制限するものであるのに対し、J-MossはRoHS禁止6物質の含有状況の明示を義務づけています。いろんな化学物質が使われているんだなぁ~。ヒント博士、「PRTR」って何ですか?まとめの巻有各种各样减少化学物质所带来风险的措施。三の巻四の巻6

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