チリングユニット 2015年1月
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87(1)水質管理 使用する水質は、少なくとも日本冷凍空調工業会で定められた冷凍空調器用水質ガイドライン(JRA-GL-02-1994)を遵守してください。さらに冷却水温が50℃以上になる場合は、腐食防止のため塩化物イオン濃度を100ppm以下に、スケール付着防止のため全硬度を150mgCaCO3/l以下に維持してください。 (2)冷水流量管理 冷水流量不足はプレート式熱交換器の凍結事故につながります。ストレーナ詰まり、エアがみ、循環ポンプ不良等による流量減少がないかを熱交換器の入口温度差、圧力差の測定により点検し、経年増加により温度差、圧力差が適正範囲を外れた場合には運転を中止し、原因を取り除いた後に運転を再開してください。 (3)ブライン濃度点検 冷水にブラインを使用する場合は当社指定の種類、濃度でご使用ください。塩化カルシウムブラインは腐食の原因となるため使用できません。また、ブラインが大気中の水分を吸収し濃度低下を生じると凍結事故につながります。大気との接触面積を小さくするとともにブライン濃度を定期的に測定し、必要に応じた補充により適正濃度を維持してください。 (4)凍結保護装置作動時の処置 運転中、万一凍結保護装置が作動した場合は必ず原因を取り除いた後に運転を再開してください。原因を取り除く前に運転を再開すると、プレート式熱交換器を閉塞させ、氷を融解できなくなるだけでなく、繰り返し凍結によりプレート式熱交換器が破損し、冷媒漏れや冷媒回路への水侵入事故につながります。 (1)シーズンイン前の点検項目 ①水質検査、②ストレーナ清掃、③流量確認、④運転確認(圧力・流量・出入口温度等) (2)プレート式熱交換器の洗浄方法 ①水の入口配管に薬品洗浄用の配管接続口、入口接続口の前と出口接続口の後にバルブがあることを確認する。 ②洗浄剤循環用配管を入口配管に接続し、50~60℃の洗浄剤を一旦熱交換器内に満たす。その後ポンプで2~5時間程度循環させる(循環 時間は洗浄剤の温度やスケールの付着状況によって調整する)。 ③洗浄循環後、熱交換器内の洗浄剤を排出し、1~2%の水酸化ナトリウムまたは重炭酸ソーダ水溶液を熱交換器に満たし、15~20分間循環 して中和する。 ④中和作業後はクリーンな水でプレート式熱交換器内を注意深くリンスする。 ⑤洗浄後、正常に運転できることを確認する。 ※対スケール用洗浄剤として蟻酸、クエン酸、シュウ酸、酢酸、燐酸等を5%程度に希釈したものが使用できます。市販洗浄剤を使用する場合はステンレス鋼と銅に対して腐食性がないことを事前確認し、洗浄方法の詳細は洗浄剤メーカーに問い合せてください。 ブレージングプレート式熱交換器は、分解洗浄や部品交換が不可能な構造です。またスケール付着により能力が低下したり、流量低下により凍結破壊する場合がありますので、使用する水質に十分注意し、定期的なメンテナンスによるスケール生成の防止が必要です。 日常の保守管理 メンテナンス プレート式熱交換器の取り扱いについて ●冷却水・冷水・温水・補給水の水質基準 (冷凍空調器用水質ガイドラインJRA-GL-02-1994) ブライン仕様R407Cチラー (特殊仕様機種) R407Cチラー (特殊仕様機種)

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