クーリングタワー
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E= ————— [L/min] (1) 蒸発量(E)(2) キャリーオーバ量(C)(3) ブローダウン量(B)(4) 補給水量(M)補給水量(M)は46 冷却塔の性能は循環水量、入口温度、出口温度、外気湿球温度との相互関係が要因となります。運転時において水量・入口温度・外気湿球温度を仕様条件に合致させることは、通常大変困難です。 冷却塔の温度差は負荷側の熱量と循環水量で決まり、冷却塔出口温度は湿球温度(外気乾球温度と相対湿度から得られる温度)に影響されます。温度差が大きいから性能が良いということにはなりません。中間期や冬期等の湿球温度が仕様湿球温度より低い場合は、循環水は仕様出口温度より低い温度となり、実質的な性能は仕様性能を上まわります。 循環水量が仕様値で外気湿球温度が仕様温度より低いのに循環水温度が仕様温度に近いまたは超えるような場合は、故障の可能性があります。 運転日誌をつけて監視することにより、万一故障が起きていた場合でも発見が早く大事に至らず、安全運転に寄与することになります。 冷却塔における水の損失は熱を取り除くために要する蒸発分と、ファンによって空気とともに微小水滴として運び去られるキャリーオーバと呼ばれるものがあります。 密閉式冷却塔の場合、散布水は蒸発によって濃縮されます。濃縮された水は接触する金属部分を腐食させたり、藻の発生やスケール析出の原因となります。それらを防ぐために濃縮された水の一部を捨てる必要があります。これをブローダウンと呼びます。また、ブローダウンで捨てた分の水はボールタップから自動的に給水されます。蒸発量(E)は次式により算出できます。⊿t×L600⊿t:循環水入口・出口の温度差[℃](=K) L:循環水量 [L/min]量としてはきわめて少なく本体の構造により多少左右されますが、通常循環水量の0.05%以下です。 散布水の一部を定期的あるいは連続的に入れ替えるためには、運転中にドレンバルブを僅かに開いておくか、運転水位を上げて絶えずオーバーフローさせるか、または下部水槽の清掃を兼ねて定期的に換水することが効果的です。 ブローダウンの必要量は水質あるいは濃縮の度合いによって異なりますが、空調用の場合の濃縮倍数は通常3倍程度としますので循環水量の0.4%位が必要とされます。 ブローダウンをより効果的にするためには、補給水にはなるべく地下水や河川水などを避け、水道水を使用することが最良です。M=E+C+B ……… の関係式により求められます。 性能管理 補給水量

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