東芝換気・送風機 設計・工事専門家用 2010年
542/668

541法 規 編「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)が平成14年6月に改正され、2000m2以上の建築物であれば、建築確認申請時に省エネルギー措置(省エネルギー計算書はこれの一部)を届出ることが、建築用途にかかわらず義務化されました。 下表(表6-2、3)において、そこに掲げる用途に供する建築物に設ける機械換気設備に関しては、その換気エネルギー消費係数(CEC/V)が下表(表6-2)に掲げる判断基準値以下とならなければなりません。なお、以下の内容について、その詳細は「建築物の省エネルギー基準と計算の手引」平成14年度版(財団法人建築環境省エネルギー機構)の(CEC/V)に関係する項を抜粋して掲載しています。※  平成18年4月より、大規模修繕等も対象となる改訂が行われました。同時に2,000m2以上の住宅の新築・増改築及び大規模修繕等も対象となりましたが、住宅(住棟)と一体的に設計、施工、管理される駐車場の機械換気設備などが対象で、個々の住宅に取り付けられる換気扇などは対象外です。また、三相電源で駆動される機種が対象で、単相電源の機種は対象外です。1)建築の判断基準表6─1 「空気調和設備以外の機械換気設備に係るエネルギーの効率的利用」に関する措量すべき事項2機械換気設備エネルギー消費係数〔CEC/V〕について(1)風道等におけるエネルギーの損失の少ない計画を行うこと。(2)エネルギーの効率的利用を図る適切な制御方法を採用すること。(3)必要な換気量に応じた適切な能力で、かつ、エネルギーの利用  効率の高い機器を採用すること。2)適用建築物(床面積2000m2以上)の  建築物の用途区分と省エネ基準表6─2用途区分別省エネルギー基準        (平成15年4月施行)表6─3 用途区分ホテル等病院等物品販売業を営む店舗等事務所等学校等飲食店等集会所等工場等CEC/V1.01.00.91.00.81.51.0ー用途の区分具 体 例ホテル等病院等物品販売等を営む店舗等学校等集会所等工場等事務所等飲食店等ホテル、旅館等病院、老人ホーム、身体障害者福祉ホーム等事務所、図書館、博物館、郵便局等小学校、中学校、高等学校、大学、専門学校、専修学校等飲食店、食堂、喫茶店、キャバレー等集会場、ボーリング場、体育館、劇場、映画館、ぱちんこ屋等工場、蓄舎、自動車車庫、倉庫、卸売市場、火葬場等店舗、百貨店、マーケット等従来の6区分に該当しない用途について、6区分のいずれかと同等の省エネルギー措置を求めることが適切なものについては、これらの区分の対象に追加し、それ以外のものについては、これらに対応するための新たな用途区分を設け、数値基準を定める。3)換気エネルギー消費係数(CEC/V)計算法(1)概要CEC/Vは次式で定義される。  CEC/V= ここに、年間仮想換気消費エネルギー量とは、設計換気風量を処理するために必要な標準的な(特に省エネルギー的な配慮を行わない場合の)年間消費エネルギーを言い、後で述べるように建物全体の換気風量に係数と建物用途ごとの運転時間を掛けて求めた値をいう。 また、年間換気消費エネルギー量は、機械換気設備(給気ファン、排気ファン、及び、換気設備の役割を持つ設備)の動力(出力:kW)に、各設備の運転時間と省エネルギー制御を行う場合はこの効果に応じた係数(補正値)を掛けたものの合計値とする。 本計算法におけるCEC/V計算のフローを図6-1に示す。(2)年間仮想換気消費エネルギー量の計算 建物全体の設計換気風量(給気風量+排気風量)を合計し、この合計値Q(m3/h)に3.7×10-4を掛け、更に年間運転時間(T時間)を掛けることにより求める。すなわち、年間仮想換気消費エネルギー量(kWh)=3.7×10-4×Σ(Q×T)となる ここで、Tは表6-4とする。ただし、電気室やボイラー室等で、本来換気で行うべき場所を冷房する場合等は、換気で行う場合に必要な換気風量を想定し、設計換気風量(以下「換算換気風量」という)とする。すなわち、空調機等の冷房能力をAkWとした場合Q=            ×2を、換算換気風量とする。(上式で2倍しているのは給気と排気の両方の役割を受け持つためである) ここに、Aは、必要とする冷房能力に対し余裕を見た場合は、必要とする冷房能力を使用する。  Xは Ⅰ地域:31 Ⅱ地域:32     Ⅲ地域:33 Ⅳ地域:34とする。    (Ⅰ~Ⅳ地域は、CEC/ACにおける地域区分を示す)年間換気消費エネルギー量年間仮想換気消費エネルギー量表6─4 年間運転時間Tホテル等建築物の用途病院等物品販売業を営む店舗等事務所等学校等飲食店等集会所等工場等年間運転時間T(時間)5,5005,1002,8003,3002,3003,8003,800ーA×860(40℃-X℃)×0.29設計換気風量換気設備動力換算換気風量冷房能力地域別計算式年間運転時間 T年間仮想換気消費エネルギー量空調機の冷房能力の動力換算値と関連機器の動力の合計パッケージユニットと関連機器の動力の合計年間換気消費エネルギー量補正値 kCEC/V▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲図6─1 CEC/V計算のフロー 

元のページ  ../index.html#542

このブックを見る