東芝換気・送風機 設計・工事専門家用 2011年
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555法 規 編①ダクトを使用しない場合(ダクトレス) ダクトを使用しない壁付け形のパイプ用ファンや空調換気扇の場合は「静圧̶風量特性」曲線と外壁部材による圧力損失特性曲線から換気風量(有効換気量)を決定します。これら機器を複数台使用する場合は換気風量(有効換気量)の総和が換気設備として持っている合計の有効換気量となります。この合計有効換気量を居室の気積(容積)で割ることにより換気回数が求められます。②ダクトを使用する場合 ダクトを使用しない場合と違ってダクトを使用する場合はダクト長さや曲がり、径、材質や外壁部材により換気風量が変わってきます。その為これら用件を加味した圧力損失計算をした上で換気風量(有効換気量)を求める必要があります。●ダクト圧力損失計算(国土交通省「建築物のシックハウス対策マニュアル」より抜粋)換気経路の圧力損失計算は次のA式、B式に代表される計算式により算出されます。A式による場合、各部材の圧力損失係数は「基礎編  3・換気設計」の項に記載の付表の値を使用します。なお、国土交通省のマニュアルではこのA式、B式以外にも適当な計算方法を用いてもよいとされています。また、圧力損失についてもカタログなどに記載されている部材の抵抗損失曲線から直接圧力損失を読みとってもよいとされています。設計スタート①居室の気積Ai(m3)の計算②換気システムに要求される必要換気nを定める ・住宅等の居室の場合 : 0.5回/h、0.7回/h ・その他の居室の場合 : 0.3回/h、0.5回/h、0.7回/h③換気システム全体に要求される必要換気量Qtを求める Qt(m3/h)=n×ΣAi④設計対象の機械換気システムが分担する機械換気量Qを求める Q(m3/h)≦Qt ΣQ(他のシステムの分担を合わせた合計換気量)≧Qt⑤図面上における換気システム配置の仮決定 ・室内側端末の場所と個数 ・送風機ユニットの位置 ・ダクト及び分岐の位置⑥各端末への経路の風量目標値qの仮決定(ただし、Σq≧Q) 方法1:各端末への経路の圧力損失の均等化により風量を均等にする 方法2:ダンパー類を用いた圧力調整により風量を端末間で変える⑦屋外側端末から送風機ユニットを経由して室内側端末までの、 圧力損失が最大になる経路(最大圧損経路)を選ぶ⑧最大圧損経路について、各部分の風量と各部材の流量-圧力 特性から、合計圧力損失Prを計算する⑨送風機ユニットの特性曲線(静圧-風量曲線)上の 座標(Σq、Pr)に運転ポイントをプロットする⑪各経路についての合計圧力損失Prがほぼ均等とするために必要な ダンパー類の開度を計算によって求めるか、現場で調整する。設計終了フロー詳細内容については国土交通省マニュアルをご参照ください。送風機ユニットのノッチ変更、又は、機種変更により送風量を増やす⑩運転ポイント(Σq、Pr)が 特性曲線より下にあるか?ダクト系統に関する変更【ダクトを使用する機械換気システムの設計フロー】(国土交通省「建築物のシックハウス対策マニュアル」より抜粋)*簡略法を用いることのできる条件 簡略法は、最長経路のダクト系統の全体が、その経路の中で最小径のダクトによって構成されているとみなし、その経路の圧力損失の合計を推定するものであるため、適用が許されるのは次の(a)~(d)までの条件を満たす場合に限られる。(a) 全ての経路における風量がダクト径に応じて定まる制限風量QL以下であること。(b)最小径部分の風量の最大値Qが0.4QL以上0.6QL以下であること。(c) 外壁端末と室内側端末の圧力損失係数の合計が4.5を超えないこと。(d)ダクトの摩擦係数が0.1を超えないこと。以上の内容は2003年5月に発行の「建築物のシックハウス対策マニュアル」に基づいています。表5・1 基準風量Qs50307560100120125180150240200300ダクト径又は端末の接続ダクト径(㎜)基準風量Qs(m3/h)Pr = ζo・Pvo・(Qo/Qso)2+ζl・Pvl・(Ql/Qsl)2+Σ(λi・Li/Di+ζBi)・Pvi・(Ql/Qsl)2a.詳細法(A式) Pr :圧力損失の合計(単位:Pa)ζo:外部端末換気口の圧力損失係数ζl :室内端末換気口の圧力損失係数λ :ダクトの摩擦係数 D :ダクトの直径(単位:m) L :ダクトの長さ(単位:m)ζB:曲がり等局部の圧力損失係数の検証単位における合計 PV:ダクト径に対応して定める基準動圧(単位:Pa) PV=0.5・ρ(Qs/3600/A)2          ρ:=1.21kg/m3(20℃の空気の密度) A:ダクトの断面積(単位:m2) Q :検証単位の必要風量(単位:m3/h) Qs:ダクト径、端末換気口の接続径に対応する基準風量   (単位:m3/h)(表5・1)表5・2 曲り係数K塩化ビニル製フレキシブルダクト硬質ダクト7.3320.016.7アルミ製フレキシブルダクトダクト種類曲り係数K表5・3 摩擦係数λ塩化ビニル製フレキシブルダクト硬質ダクト0.030.050.08アルミ製フレキシブルダクトダクト種類摩擦係数λ表5・4 制限風量QL50427595100170125265150380200680ダクト径(mm)制限風量QL(m3/h)Pr = 21.8・(4.5+(L/D+m・k)・λ)・(Q/QL)2b.簡略法(B式) Pr:圧力損失の合計(単位:Pa) L :経路の長さ(単位:m) D :ダクトの最小径の部分の径(単位:m) m :曲がりと分岐の総数(単位:個) k :曲がり係数(表5・2) λ :摩擦係数(表5・3) Q :最小径の部分の風量の最大値(単位:m3/h) Qs:制限風量(表5・4)5. 換気計算

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