東芝換気・送風機 設計・工事専門家用 2013年
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491基 礎 編5空気取入口の位置と大きさ①空気の取入口は、換気扇からできるだけ遠くに設けるほど、よく換気します。換気扇の近くに設けると、ショートサーキットして効率が悪くなります。レンジフードの場合は、空気取入口をガスレンジのそばに設けると、取入口から入ってくる空気の勢いでレンジから発生する煙が室内に流れてきます。(図2-4)1. 空気取入口の位置2. 空気取入口の大きさ3. 気圧について排気扇を取り付ける場合、その換気扇による空気の排出量と同量の空気を取入口から導入する必要があります。高層住宅など、気密性の高い部屋の場合はとくに空気の取入口には充分配慮してください。②調理室の場合はとくに多量の換気風量を必要とします。このため調理室の空気取入口は直接屋外に面した壁面に設け、他室を通じての空気の導入は避け、独立した給気系統として計画してください。③講堂や集会所など、大きな部屋の場合には給気口を分散させて均一に換気します。(図2-5)換気扇は、それぞれカタログに表示されているとおりの排気能力を持っていますが、これは換気扇が排出するだけの空気が取入口から入ってくることが条件になっています。したがって空気取入口が小さいと、空気の入り方が少なく換気能力が低下します。一般には、換気扇の取付面積より大きくします。取入面積が大きいほどそこから入ってくる風速がゆるく、空気取入口の近くの人に不快な感じを与えなくなります。(図2-6,7) 近年、住宅の密閉度が高まっており、レンジフードファンや大形ダクト用換気扇を使用した場合、給気が適切でないと室内が100~200Pa負圧になるケースがあり、マンション入口のドアを開きにくくすることがあります。仮に150Pa負圧になったとした場合、ドアの大きさが1m×2mの大きさとすると、そのドアには300Nの力が開扉を妨げる方向に働くことになり、子供の力ではドアが開かない場合もあります。適切な給気計画は、換気設計に欠かすことのできない重要事項の一つです。図2-4空気取入口排気口図2-6図2-7空気取入口が小さい場合空気取入口が大きい場合排気口排気口空気取入口空気取入口①空気がスムーズに流れない②燃焼器具のある場合は酸素欠乏の危険がある③空気取入口付近の人に、不快感を与える①空気がスムーズに流れる②燃焼器具の燃焼に必要な空気の導入ができれ ば酸素欠乏の危険がない。③空気取入口から入ってくる風速がゆるやかな ので、その付近の人に不快感を与えない悪い例良い例 図2-5換気されない場所換気扇も数ヶ所に分散して取付ける空気取入口

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