東芝換気・送風機 設計・工事専門家用 2013年
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492基 礎 編3.換気設計1必要換気量の求め方必要換気量の求め方は、部屋の種類、火を使用する場合などにより異なりますが、大きく分けて建築基準法に定められる方法と、部屋の必要換気回数から求める方法などがあります。建築基準法に基づく方法により最低限必要な換気量を求めます。1. 建築基準法に基づく方法換気は建築基準法でその規制があり、換気扇だけで行う場合は次のように計算するように規定されています。●その他の基準建築基準法の一人当り20m3/hは、必ずしも十分な換気風量とは限りませんので、衛生上必要な最低限の基準と考えたほうが良いと思われます。ASHARE(アメリカ暖房・冷凍・空調学会)では、必要換気量についてタバコの臭いなども考慮して、一人当り30m3/hをガイドラインとしています。また、建築学会では喫煙を考慮した一人当りの必要換気量として右記のような数値を使用しています。(表3-2)[一人当りの占有面積から求める方法] V:必要換気量(m3/h) Af:居室の床面積(m2) N:実況に応じた一人当りの占有面積(m2)(一人当りの占有面積が10m2を超える場合は10m2でよい)ここで、Af/Nは在室人員を表し、結局一人当り20m3/hの換気量を指定しています。従って在室人員が確定していれば、   V=20×n      n:在室人数で求めることができます。上式は建築基準法施行令第20条の2第2号に基づくもので、係数20(一人当り20m3/h)は一人当りの呼吸によるCO2の排出量が基準となっています。●一人当りの占有面積について一人当りの占有面積N(m2)は、建築物の実況に応じた値であり、一律には規定できないが、表3-1の数値を標準とします。            20×居室の床面積(Af)  必要換気量(V)= ───────────────           一人当りの占有面積(N)1)居室の場合公会堂・集会場劇場・映画館・演芸場体育館旅館・ホテル・モーテル簡易宿泊所・合宿所病院・療養所・伝染病院診療所・医院店舗・マーケット料亭・貸席百貨店飲食店・レストラン・喫茶店キャバレー・ビヤホール・バー玉突き場・卓球所・ダンスホールパチンコ店・囲碁クラブ・マージャンクラブ図書館事務所工場・作業所・管理室研究所・試験所公衆浴場特殊浴場廊下ホール同時に収容しうる人数同時に収容しうる人数同時に収容しうる人数作業人員同時に収容しうる人員0.5m2~1m20.5m2~1m20.5m2~1m210m23m24m2~5m25m23m23m22m23m22m22m22m23m25m24m2~5m25m210m23m2~5m2居室の床面積営業の用途に供する部分の床面積居室の床面積営業の用途に供する部分の床面積営業の用途に供する部分の床面積営業の用途に供する部分の床面積営業の用途に供する部分の床面積事務室の床面積脱衣場の床面積営業の用途に供する部分の床面積建 築 用 途単位当り算定人員一人当り占有面積備      考(財)日本建築設備・昇降機センター発行「建築設備設計・施工上の運用指針」より表3-1 建築用途別の一人当りの占有面積例喫 煙 程 度適 用 例非常に多い多   いか な りときどき仲介人事務所・新聞編集室・集会室カクテルバー・事務室・ホテル客室レストラン・事務室銀行営業室・事務室・商店50~8542~5120~2613~173.0~5.12.5~3.01.2~1.60.8~1.0必要換気量(m3/h・人)最小限~推奨値喫煙量(本/h・人)空気調和・衛生工学会編「空気調和衛生工学便覧」より表3-2 喫煙程度を考慮した必要換気量とそれに対応する喫煙量(推定値)

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