東芝換気・送風機 設計・工事専門家用 2013年
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507法 規 編1建築基準法(シックハウス対策)近年、遮音性や冷暖房効果を求めて高気密・高断熱住宅が広く普及してきています。高気密・高断熱化することにより室内外との遮断は確保できるのですが、空気の入れ替えという点からは逆に不利になってきています。一方、住宅建築材料においては、加工性や施工性などの点からいろいろな化学物質を含んだ建築材料が使用されるようになってきています。また、建築材料だけではなく、家具などに使われている材料からも化学物質が漏れ出ていると言われています。この住宅構造と揮発性の化学物質とが相まって室内に化学物質が滞留し「めまい」、「吐き気」、「頭痛」、「目、喉の痛み」などの健康障害が引き起こされていると言われています。この健康障害を「シックハウス症候群」といい、この対策として2003年7月建築基準法が改正されました。昔ながらの家、在来工法で建てられた家では空気の流入にとっては適度な隙間が存在していたため「シックハウス症候群」は起こりにくいと言われています。①改正時期 2003年7月1日 着工分より②改正内容 シックハウス症候群の原因となる化学物質は下表にあるようにたくさんの種類がありますが今回の改正ではその内の「ホルムアルデヒド」と「クロルピリホス」2種類の規制を目的とし改正されたものです 1 ホルムアルデヒド → これを含む建築材料の 使用制限 2 クロルピリホス  → これを含む建築材料の 使用禁止③対策内容 対策Ⅰ, 内装仕上げの制限 …… 使用可能建築材料、使用不可建築材料があります 対策Ⅱ, 換気設備設置義務付け 必ず設置しなければなりません 対策Ⅲ, 天井裏などの対策 …… 天井裏などから居室へ化学物質が漏れ出ることを防ぎます昔の住宅(在来工法)最近の住宅(高気密・高断熱)高気密・高断熱住宅は、居住環境の快適性を追求した結果自然換気が少なくなっています。壁と壁の間、壁と柱の間、建具などに適度な隙間があります。自然換気回数:1時間当たり約4回自然換気回数:1時間当たり約0.1回■化学物質の室内濃度指針値<厚生労働省>ホルムアルデヒドクロルピリホストルエンキシレンパラジクロロベンゼンエチルベンゼンスチレンフタル酸ジ-n-ブチルテトラデカンフタル酸ジ-2-エチルヘキシルダイアジノンアセトアルデヒドフェノブカルブ合板、壁紙、接着剤白蟻駆除剤施工用接着剤、塗料溶剤塗料溶剤、樹脂防虫剤塗料、接着剤発泡スチロールプラスチック、塩化ビニルの可塑剤有機溶剤壁紙の可塑剤有機リン系殺虫剤防腐剤、溶剤防蟻剤100126087024038002202203301200.2948330.08ppm0.07ppb0.07ppm0.20ppm0.04ppm0.88ppm0.05ppm0.02ppm0.04ppm7.6ppb0.02ppb0.03ppm3.8ppb気中濃度は25℃の場合ppmは体積濃度 1ppmは100万分の1の濃度 (1m3中に1cm3の汚染物質がある場合1ppm) 1ppbは1ppmの1000分の1μg/m3は重量濃度 1m3中の汚染物質重量を示す 1000μg/m3=1mg/m3室内濃度指針値主な用途濃度指針値(μg/m3)気中濃度化学物質台所浴室洗面所トイレリビング寝室子供部屋ホテル店舗和室しかも住居だけではありません。学校・事務・病院・ホテル・店舗などにも。換気設備が必要な所1. 背景2. 改正のポイント

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