東芝換気・送風機 設計・工事専門家用 2016年度版
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519基 礎 編3)結露の発生(1)結露とは(2)住居における結露●結露の発生原因●結露の発生する場所よく見られる結露現象は氷水を入れたコップのまわりに水滴が付着する現象です。これは空気が温度が高いほどたくさんの水分を水蒸気として含むことができ、温度が低くなれば、含むことのできる水蒸気の量が少なくなるためです。①非暖房室、特に北側非暖房室で結露が発生します。非暖房室は暖房室に比べ室温が低くなり非暖房室の壁面温度はそれだけ低くなり、結露しやすくなります。②空気のよどむ所は結露がひどくなります。家具などがおいてある場所は、家具が断熱材になり、室内壁面温度が低くなります。一方、湿気は上の方から流れ込み、壁面、家具にひどい結露を生じます。③隅角部に結露は発生します。特にコンクリート住宅は顕著に現われます。壁面温度は壁の断熱性が低いほど低くなります。室内外の温度分布の例を左図にしめします。室内側壁面温度が室内空気の露点温度以下となった場合、壁面に結露が発生します。④容積の小さい部屋ほど結露します。⑤結露は外気温が低い夜にひどくなります。⑥サッシの断熱を良くすると壁の結露はひどくなります。⑦結露は表面だけでなく壁内部にも発生します。⑧結露は進行性があります。結露は一度発生するとその部分が湿気をもち断熱性が低下してさらに結露しやすくなります。適正な換気で新鮮な外気を導入することにより、種々の効果が得られます。新建材の普及、建築工法の改良、さらには冷暖房空調設備機器の普及等により、非常に気密の高い建築構造になってきているのが現状です。さらに最近では、住宅の省エネルギー対策として、住宅の断熱性能の向上を図るため、気密性にも基準が設けられる傾向があります。3換気の効果4気密化の傾向と換気設備の必要性2)ダニやカビの発生■家庭内でのダニ・カビの発生条件床材、寝具、衣類等と共に20~30℃、60%R.H.以上餌の含水量浮遊胞子の落着20~30℃、70%R.H.以上食品中、建材中の自由水塵中のカビ・アカ・フケ・食品のくずや生ダニ、生昆虫等家庭内の侵入経路温湿度水ダニカビ餌酸素(微量でも可)酸素(微量でも可)空気潜って産卵できる畳、絨毯、寝具、布製品、ソファー、ぬいぐるみ等繁殖場所3.0~10.03.0~10.0P.H.①光にあたる場所は苦手②振動のある場所は苦手③カビが繁殖しすぎる場所は苦 手食品類・建材(木材、合板、塗料、接着剤、発泡ウレタン、壁紙、タイル目地、シャワー、カーテン)の表面と内部有機物(炭水化物、脂肪、窒素化合物)無機物(硝酸ナトリウム、カリウム等)①自然の浄化、人手による清掃 がくり返されない所②光(紫外線)にさらされない 場所③表面が平滑で硬い材料は苦手④発育阻害因子のあるところは 苦手その他-10℃(屋外)(室内)25℃壁面温度壁(屋外)(屋外)(室内)(室内)-10℃-10℃25℃断熱性が低い場合断熱性が高い場合25℃(屋外)(屋外)(室内)壁間結露内部結露(室内)結露結露内装材内装材中空層●新鮮な空気の供給(居室)●燃焼に必要な空気の供給(台所)●臭気の排出(台所・トイレ・料理店・食料品店など)●ホコリ・チリの排出(居室)●湿気の排出(浴室)●暑気の排出(居室)1.換気2.脱臭3.除塵4.除湿5.室温調整家屋構造洋風コンクリート造り木造洋室和風真壁造り和風板張り密0.25~0.50.5~1.50.5~1.52~3─0.7~21.0~2.53~4普通──2~54~6「日本ガス協会誌」より粗■住宅の自然換気回数

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