換気・送風機 設計・工事専門家用 2020年4月
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513基 礎 編3)結露の発生(1)結露とは(2)住居における結露●結露の発生原因●結露の発生する場所よく見られる結露現象は氷水を入れたコップのまわりに水滴が付着する現象です。これは空気が温度が高いほどたくさんの水分を水蒸気として含むことができ、温度が低くなれば、含むことのできる水蒸気の量が少なくなるためです。①非暖房室、特に北側非暖房室で結露が発生します。非暖房室は暖房室に比べ室温が低くなり非暖房室の壁面温度はそれだけ低くなり、結露しやすくなります。②空気のよどむ所は結露がひどくなります。家具などがおいてある場所は、家具が断熱材になり、室内壁面温度が低くなります。一方、湿気は上の方から流れ込み、壁面、家具にひどい結露を生じます。③隅角部に結露は発生します。特にコンクリート住宅は顕著に現われます。④容積の小さい部屋ほど結露します。⑤結露は外気温が低い夜にひどくなります。⑥サッシの断熱を良くすると壁の結露はひどくなります。⑦結露は表面だけでなく壁内部にも発生します。⑧結露は進行性があります。結露は一度発生するとその部分が湿気をもち断熱性が低下してさらに結露しやすくなります。壁面温度は壁の断熱性が低いほど低くなります。室内外の温度分布の例を左図にしめします。室内側壁面温度が室内空気の露点温度以下となった場合、壁面に結露が発生します。適正な換気で新鮮な外気を導入することにより、種々の効果が得られます。新建材の普及、建築工法の改良、さらには冷暖房空調設備機器の普及等により、非常に気密の高い建築構造になってきているのが現状です。さらに最近では、住宅の省エネルギー対策として、住宅の断熱性能の向上を図るため、気密性にも基準が設けられる傾向があります。3換気の効果4気密化の傾向と換気設備の必要性-10℃(屋外)(室内)25℃壁面温度壁(屋外)(屋外)(室内)(室内)-10℃-10℃25℃断熱性が低い場合断熱性が高い場合25℃(屋外)(屋外)(室内)壁間結露内部結露(室内)結露結露内装材内装材中空層●新鮮な空気の供給(居室)●燃焼に必要な空気の供給(台所)●臭気の排出(台所・トイレ・料理店・食料品店など)●ホコリ・チリの排出(居室)●湿気の排出(浴室)●暑気の排出(居室)1.換気2.脱臭3.除塵4.除湿5.室温調整家屋構造洋風コンクリート造り木造洋室和風真壁造り和風板張り密0.25~0.50.5~1.50.5~1.52~3─0.7~21.0~2.53~4普通──2~54~6「日本ガス協会誌」より粗■住宅の自然換気回数一般住宅においては居住性の向上を目ざし、ビルオフィス・工場等においては作業能率の向上を考慮する必要があります。そのためには換気設計にのぞみ、基礎となる換気方式・性能等に精通しておく必要があります。自然の風圧や建物内外の温度差による空気密度の差、すなわち、浮力を利用する換気です。たえず変動する自然条件を利用するため、非常に不安定な換気ですが常時大量の熱と煙を発生する工場などでは、大きな効果を発揮します。換気扇の性能は、取付場所や、使用方法によって大きく左右されます。このため、換気扇の機種選定にあたっては換気扇の性能を充分に把握して行う必要があります。換気扇を選定する基準になる性能には、風量・風圧(静圧)・騒音などがあります。・換気扇が単位時間当たりに排気(または給気)する風の量。・単位は、m3/h(時)、m3/min(分)。2.換気の基礎1換気の種類2換気扇の性能換気を大別すると、自然の風や温度差による自然換気と、これらに関係なく送風機や換気扇により強制的に行う機械換気に分けられます。1. 自然換気1. 風量(Quantity)・ 静圧=「空気を送り出す圧力」及び「空気の流れを妨げる抵抗力」。 どちらも同じ静圧を用いています。・単位は、 Pa(パスカル)2. 静圧(Pressure)送風機・換気扇等の機械力を利用して室内空気の入れ替えを行う方法で、設計により計画的な換気が実施できます。機械換気は、その方法により下表のように分類されます。2. 機械換気〈自然排気〉排気→自然換気給気→自然換気倉庫・体育館・熱気工場①第1種換気②第2種換気③第3種換気排気および給気を機械換気する方法。屋内駐車場・ボイラー室・電気室・機械室・厨房・倉庫などに適用排気給気排気給気排気給気外気を機械的に給気し、排気は排気口から排出する方法。ボイラー用給気・発電機用換気に適用外気を給気口より給気し、排気は機械的に排出する方法。一般住宅などに適用 

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