514基 礎 編静圧P0風量 Q風量と静圧の関係P-Qカーブ風量と静圧の関係P-Qカーブ●風の流れを妨げる力①外風②ダクト(配管部)③給気例えば、高層マンションの高層部では外風が強く、風の流れを妨げるため、下層部と同じ換気扇を同じ条件で使用しても、風量(排気量)は少なくなります。中高層住宅や工場などで長いダクトや曲がったダクト、急に細くなったダクトを使用して換気する場合、風の流れを妨げるため、風量(排気量)は少なくなります。密閉した部屋に換気扇を取り付けて運転すると、部屋の空気は最初少し出ますが、すぐに換気しなくなります。空気を外に出すには、それと同量の空気を取り入れなければ換気能力は低下します。換気能力は、静圧-風量特性で判断できますが、これ以外に換気扇の良否を判断する基準になるものに騒音があります。特に音の静かさを重視する寝室などに設置する場合は、強弱付の製品や、騒音値が25dB程度の換気扇を選定するなどの配慮が必要です。3. 騒音1）音の単位2）騒音の測定方法音を表す単位としてデシベル(dB)があります。音の大きさの測定には、指示騒音計(JIS C 1502)が使用されています。この指示騒音計は、図2-1のような3つの特性(A・B・C特性)をもち聴覚補正がなされています。一般に音の測定には人間の耳に最も近いA特性を用います。換気扇の騒音の測定法はJIS C 9603(換気扇)で決められています。図2ー1周波数の聴覚補正 周波数（Hz)CBAC,BA20100-10-20-30-40-501025100210002551000020000騒音レベル（dB）3）音の合成［計算例］40dBと44dBの音が同時に発生する場合L1=40dB L2=44dB L2-L1=4dBこれを図2-2dB合成数量表により求めますとL≒1.4 となります。したがってL3=L2+1.4=44+1.4=45.4となり、合成音L3は約45.4dBとなります。3つ以上の音が合成される場合は、2つの音の合成音を計算式によって求めたのち、3つめの音の合成によって求めます。（図2-3）2つの音が同時に発生する場合の合成音は、つぎの計算式によって求めます。L3（合成音）=L2+L（L2≧L1）L1、L2：発生騒音一般には、上図に示すdB合成数量表によって、おおよその数値を求めることができます。図2ー2dB合成数量表 L（dB）（L2-L1）dB3.02.82.62.42.22.01.81.61.41.21.00.80.60.40.2 012345678910111213141540dB44dB42dB45.4dB+1.447dB+1.6図2ー3換気扇を取り付けた部屋で音を測定すると、カタログに記載されている値より高くなります。これは、カタログ値は無響室や防音室で測定した値であり、実際には反響音を測定することになるからです。●反響騒音換気扇を取り付けた室内の壁や天井が反響しやすいものであったり、部屋が小さいと騒音が大きくなります。例えば、木造でタイル張りの浴室で8dB、同じコンクリート・タイル張りでは10dB以上高くなることがあります。●ダクト騒音シロッコファンやターボファンを使用したダクト用換気扇やレンジフードファンを、曲がりの多い長いダクトなどに取り付けて使用すると静圧がかかり、回転が高くなり騒音が大きくなる性質があります。実際の場合、2～3dB高くなることもありますので、ダクト抵抗の少ない換気ダクトを採用する必要があります。●振動騒音換気扇には、モーターの回転などによる微妙な振動があります。この振動が建築物に伝わると、壁面ボードや天井板が共振して不快な騒音になります。取り付けに際しては、補強材の使用、あるいは防振装置を施すなど確実な取り付けをする必要があります。4）取付場所・取付方法と騒音5）身近な例による騒音の大きさの概略値下図は身近にある騒音の例です。これにより騒音レベルの程度の概略を知ることができます。■騒音レベルとその場の感じ木の葉のふれ合う音1301201101009080706050403020100製縫耳のとう痛感（dB）（その場の感じ）静かではあるが、音からの解放感がない 静かな落ちついた感じシーンとした感じ耳をろうするばかり耳をおおいたくなる目前の人と話ができないよほど声をはりあげないと話ができない意識的に声を大きくして話す うるさい感じだが普通に会話ができるザワザワといつも音が耳について落ちつかない飛行機エンジンの近く自動車の警笛(前方2m)放送用スタジオ内トンネル内の電車の開いた窓ガード下の電車通過時繁華街、街頭の電車通過時交通量の多い雑踏、商店街忙しいオフィス内 静かな歩行群衆内耳をすましている群衆内粉砕器エンジン、大型モーター騒々しい工場計算機室タイプ室多人数少人数地下鉄高架電車乗用車商工業地郊外静かな夜中普通の機械工場鍛造、リベット打ち、さく岩「平凡社：工業大事典」より工 場オフィス会 話交通機関住宅地
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