東芝キヤリア技術史
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ごあいさつ9 東芝の空調機器の歴史は、前身となる東京芝浦電気(株)(現 東芝)が1953年(昭和28年)に柳町工場で国産初の1馬力ウインドエアコンの設計・製造を開始したことに始まり、2021年(令和3年)で69年目を迎えました。2020年(令和2年)5月には、東芝空調に関わった諸先輩方、そして現役世代待望の新技術棟「e-THIRD」が稼働し、TCC-GrのR&D中核拠点として、ヒートポンプ技術を応用した製品のグローバル市場への展開に向けて技術・製品開発に取り組んでいます。「e-THIRD」とは、“evolution + Technology hub in R&D”の略であり、(株)東芝の空調事業部として現在の基礎技術を確立した第一世代、東芝キヤリアが設立され「ヒートポンプソリューションカンパニー」として技術革新を図って統括技師長 佐藤 雄彦きた第二世代に続く第三世代として、これまで培ってきたヒートポンプ技術にさらにCPS(サイバー・フィジカル・システム)の技術を加え、ヒートポンプソリューションカンパニーとして将来に向かって革新的な技術を生み出し、TCC-Grの研究開発の中心としてここで生み出された技術をグローバルの開発拠点に展開するという思いを込めています。今回、「e-THIRD」の稼働を記念して、これまでの東芝空調の技術の歩みを振り返り、将来に向かってどんなことに挑戦していくかを考えてみることにしました。 第一世代では、1961年(昭和36年)に今日のエアコンのスタンダードとなる世界初の家庭用スプリットエアコンを開発し、さらに1980年(昭和55年)には世界初となるインバータ巻頭言 未来に向けての技術革新へ挑戦技術の歩みを振り返り、

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