東芝キヤリア技術史
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8- 水冷チラーで生まれたモジュールコンセプトを空冷モジュールチラーの大容量化に展開することで、目的とした吸収式冷温水機の熱源転換を達成したばかりではなく、空調用途から産業用途で広く使われてきた。さらに、インバータ化による部分負荷特性が向上し、散水仕様においてCOP、期間成績係数が高効率ターボ冷凍機並みとなった。それは、まさに空冷ヒートポンプチラーの新たな市場を創造したと言っても過言ではない。また、故障時やメンテナンス時におけるリスク分散性のメリットもあり、市場での高いシェアは、それらに対する評価の証と受け止めたい。 チラーはエアサイド機器や冷温水配管システムと組み合わせて機能するものであるから、実際の使用勝手やユーザーの要望を取り込んだ開発が重要である。大形空調にお2003年2010年市場拡大生産性据付性リスク分散性(故障時の運転継続性)経済性コンセプト進化バックアップ設備コスト(初期)省エネ(ランニングコスト)大容量化(システム馬力)(吸収式:~1200馬力)(ターボ冷凍機:~2300馬力)高効率化1994年水冷モジュールチラーユニットのモジュール化モジュールユニット連結自動運転継続1モジュール追加モジュール群連携制御160馬力モジュール連結据付性/リスク分散性向上FMCモジュールユニット連結自動運転継続1モジュール追加モジュール群連携制御480馬力ポンプ内蔵変流量制御ポンプ内蔵変流量制御2006年空冷モジュールチラーSFMC機能毎にモジュール化モジュールユニット連結自動運転継続1モジュール追加モジュール群連携制御R410A冷媒Xフレーム360馬力ポンプ内蔵変流量制御R410A/Xフレーム省エネ性向上USXサーキット毎にモジュール化モジュールユニット連結自動運転継続 / サーキット毎不要モジュール in モジュールインバータツインロータリー圧縮機コの字熱交換器4,800馬力ポンプ内蔵変流量制御GC(グループコントローラー)採用(ターボ冷凍機並;散水装置仕様)オールインバータ化 &モジュール in モジュール大容量化/省エネ性のバックアップコストゼロ進化40大容量化いては、設計技術者が自ら現場に赴いて技術打ち合わせやクレーム時の現場調査を行う文化があり、これがユーザー、サブユーザーの信頼を得るとともに商品にも活かされてきた点は見逃せない。 今後は海外市場での普及展開並びに、顧客への更なるソリューション提供を期待している。さいごに←

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