東芝キヤリア技術史
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−R410A−R22R407C−R22−R22−−−−−−−−呼 称冷媒分岐方式 大容量対応単体最大容量HPシステム容量HP(同一冷媒系統)室内最大接続台室内機接続HP馬力許容範囲最遠配管長m正落差/逆落差m(室外機上/下)室内ユニット間落差m能力可変除霜方式その他冷 媒※ スーパーマルチとワイドマルチの大容量ユニットにはインバータと定速のコンプレッサを搭載してリレー運転により全域能力可変を実現マルチコントローラ方式インバータユニット※1987年~スーパーマルチ1994年~ワイドマルチライン分岐方式個別筐体5,20(最終)5~2081~512050/-15個別筐体10,20(95年~)5~20200.8~612050/-30インバータユニット※リバース個別分散空調リバース個別分散空調自動アドレス設定R407C(1998年~)ライン分岐方式ユニット連結108~46460.8~512550/-30インバータ + 定速ユニットリバース個別分散空調自動アドレス設定1999年~MMS2003年~SMMS(i,e)ライン分岐方式ユニット連結12,16 (i),22(e)5~48480.8~100.8~20 (i)0.6~20 (e)175235 (i,e)50/4070/40 (i,e)3040 (i,e)オールインバータリバース(一部ホットガス)個別分散空調自動アドレス設定緊急バックアップ2020年~SMMS-uライン分岐方式ユニット連結20 (24海外)8~54 (120海外)48 (128海外)0.3~20235110/11040オールインバータ単独機:リバース連結機:個別除霜個別分散空調自動アドレス設定自動バックアップ新旧混在運転可フリーコネクション(海外)R410A50自由度をさらに向上させている。室内外落差では、室外機が上層階設置時の落差(正落差)を90mから110mまで緩和するとともに、室外機が下層設置時の落差(逆落差)を標準機で、40mから110mまで大幅緩和する事に成功した。これは逆落差で問題とされる冷媒のフラッシュガス現象を抑制する技術開発によるものである。これで、現時点でビル用マルチ空調システム導入の可能性のある建物をほぼ全てカバーできる自由度を実現した事になる。④ モジュールコンセプトの更なる進化 配管設計自由度の緩和に伴い、高層ビルでは冷媒配管を通すパイプシャフトの専有スペースの増加を抑える必要がある。その為には同一冷媒系統の最大システム容量を増やす必要があるが、総冷媒量も多くなり、特に除霜時の液バックによるコンプレッサ信頼性悪化が課題となる。そこで、ロータリコンプレッサの可変圧縮比特性を活かした新除霜制御を開発することで、全運転域で除霜中の液バックレスを実現した。その結果、SMMS-uでは同一冷媒系統の最大システム容量を従来の60馬力から120馬力(室外5台連結)へと大幅に向上させ、室内接続台数も128台に強化した(海外仕様)。 また、ターミナル専用機を持たない連結方式の特長を活かして、一台が故障してもそれが拡大被害のない故障の場合はその他のユニットで自動バックアップ運転をしたり、特に海外での在庫管理を容易にするべくフリーコネクション(セレクションツールと室外機組み合わせ自由)機能を織り込むなどフレキシブルな機能の実現に成功した。7-さいごに 振り返ると、当社ではプラットフォームを刷新する度に、常に新しい技術でビル用マルチ空調システムの可能性を拡げてきたことがわかる。 そして、2020年に新プラットフォームとなるSMMS-uの先頭機種を発売したばかりで、今後ヒートリカバリ等バリエーションを増やしながらグローバルに展開していくわけだが、顧客価値視点で織り込んだアイテムはまだまだある。今後のDX時代(サービスや連携制御)に向けての通信プラットフォームの刷新もしており、この先シリーズ展開の中でどんな価値をみせてくれるだろうか楽しみである。

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