東芝キヤリア株式会社

ニュースリリース

冷暖同時COP5.75注1を達成したビル用マルチエアコン 「スーパーモジュールマルチ01(アイ)冷暖フレックス」の発売について

2012年02月09日

東芝キヤリア株式会社

 東芝キヤリア株式会社は、冷媒一系統で冷房・暖房混在運転ができるビル用マルチエアコン「スーパーモジュールマルチ01冷暖フレックス」18機種(冷房能力22.4~120.0kW)を、本年4月1日から全機種一斉に発売します。
 新製品は、省エネ・節電ニーズに貢献するため、複数のDCツインロータリーコンプレッサーと冷凍サイクルを精緻にコントロールすることで、室内側の冷暖能力比1対1の熱バランス時に冷暖同時COP5.75注1を達成しました。これは冷暖切替機種の冷房COPに対し180%の高効率運転注2になります。
 室外機容量は120kW(42馬力相当)まで拡大、最遠配管相当長注3を195mまで延長、直膨コイル付全熱交換ユニット注4の接続を可能にすることで、空調設計自由度を向上させ、中小規模から大規模ビルに対応します。  

■主な特長
1.熱バランス時の冷暖同時COP5.75注1を達成
2.空調設計自由度アップで中小規模ビルから大規模ビルに対応
3.「省エネシーマス」注5接続でオフィスの空調管理と運転状況の「見える化」を実現

  • 注1:室外8馬力相当、室内天井カセット形4方向吹出しタイプ2馬力相当を4台接続した場合における、外気温度7/6℃DB/WB、冷房運転室内2台(室温26/19℃DB/WB)、暖房運転室内2台(室温20℃)とした時に[(冷房能力+暖房能力)/ 消費電力]で計算される値。
  • 注2:32馬力相当組合せ(MMY-MAP2244F(8馬力)×4台と冷暖切替機種MAY-MAP4504H1(16馬力)×2台における比較。
  • 注3:室外機から最も遠い室内ユニットまでの冷媒配管長。
  • 注4:エアコン熱交換器、加湿器を持ち、省エネを図りながら室内導入外気を室内空気条件に近くなるように処理する室内ユニットの一種。
  • 注5:Webに対応した集中コントローラー(運転データ蓄積機能付)に省エネ分析用ソフトを組み合わせた別売オプション部品。形名:BMS-CM1281ETL

商品化の背景と狙い

地球環境保護の観点からCO2排出量削減のため、業務・家庭部門において、省エネが最優先で取り組むべき課題となる中、ビルオーナーはビル全体の省エネを進めながら、各テナントの個別の消費エネルギーを把握・管理することが必要になっています。さらに、昨今の電力事情により国内では節電意識も高まっています。一方、オフィスではOA機器の導入により、冬でも冷房負荷が発生したり、日射の影響でゾーンごとに冷暖の要求が異なる場合などに、フレキシブルに対応できる空調機の採用が増えています。また、お客様の室温に対するニーズが多様なホテル等では冷暖同時運転による部屋ごとの室温調整が、宿泊者の満足度を高める価値を生み出します。このような多岐にわたる要望を実現するため本製品を発売いたします。

新製品の特長

1. 熱バランス時の冷暖同時COP5.75を達成
室外機は、部分負荷運転で高効率を発揮するDCツインロータリーコンプレッサーを2台もしくは3台搭載し、冷房(または暖房)運転を行なう室内ユニットの冷房(または暖房)のトータル能力容量に合わせて、インバーター駆動周波数を0.1Hz刻みでコントロールします。さらに、F-VRF制御注6の採用で、室内側の冷暖能力比1対1の熱バランス時には室内ユニット間で熱回収運転を行ない、冷暖同時COP5.75注7を達成しました。これは冷暖切替機種の冷房COPに対し180%の高効率運転注8になります。

2. 室外機42馬力までの大容量化と空調設計自由度アップで中小規模から大規模ビルに対応
室外機最大容量を120kW(42馬力相当)注9まで拡大しながら、室外機と室内ユニットを接続する最遠配管相当長は195m注9、室内外間落差は50m注9注10 、室内ユニット間落差は40m注9に対応します。また、冷媒配管の第一分岐点から室内ユニットまでの最遠配管相当長も65m注9注11と、配管自由度は大幅に向上させています。さらに外気を処理するための直膨コイル付全熱交換ユニット注4の接続を可能とすることで、中小規模だけでなくさらに大規模なビルのオフィス空間へ採用いただくことができます。

3. 「省エネシーマス」注5接続でオフィスの空調管理と運転状況の「見える化」を実現
「省エネシーマス」を接続し、空調機の消費電力量や運転状況をイントラネットを介してパソコンに取り込み、室内ユニット単位の運転状況の「見える化」を実現しました注12。オフィスの省エネ・節電を進めるうえで、室内ユニット毎の消費電力量の三次元グラフを分析し、空調消費電力量の削減メニューを有効に選択することが可能となります。削減メニューには、設定温度の変更だけでなく、特定時間帯に室内ユニット毎に運転容量を抑える3段階の室内セーブ運転設定(0、50、75%)、室外機の容量を抑制する室外簡易デマンド設定などがあります。
さらに消費電力量の期間別比較機能により、任意に特定した日の電力使用状況を比べるグラフを作成し、改善後の電力削減効果を把握することが可能です。

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室内ユニット毎の消費電力量の三次元表示画面     消費電力量削減対策前後比較表示画面
 

  • 注6: F-VRFはFlex Variable Refrigerant Flow の略
    複数の室内ユニット、および室外機の熱交換器も含めた最適冷媒分流調整を行ない、室外機からの放熱、吸熱量を最小限に抑えるとともに、冷媒高低圧を可変させながら冷媒流量バランスを最適化するよう制御し、冷媒過不足の無駄の無い冷凍サイクルを実現する制御です。
  • 注7: 室外8馬力相当、室内天井カセット形4方向吹出しタイプ2馬力相当を4台接続した場合における、外気温度7℃、冷房運転室内2台(室温26/19℃DB/WB)、暖房運転室内2台(室温20℃)とした時に(冷房能力+暖房能力)/ 消費電力 で計算される最大値。
  • 注8: 32馬力相当組合せ(MMY-MAP2244F(8馬力)×4台と冷暖切替機種MAY-MAP4504H1(16馬力)×2台)における比較。
  • 注9: 従来機種は室外機最大容量85.0kW(30馬力相当)、最遠配管相当長150m、室内外落差は50m、室内ユニット間落差は35m、第一分岐から室内ユニットまでの最遠配管長は50m。
  • 注10: 室外機が室内ユニット機より上の場合
  • 注11: 室内ユニット間の落差が3m未満の場合
  • 注12: 「省エネシーマス」(形名:BMS-CM1281ETL)に同梱のソフトをパソコンにインストールすることが必要です。

その他の特長

1. 安心をお届けする室外ユニット設計
室外ユニットに搭載する2台もしくは3台のコンプレッサーは、特定のコンプレッサーへの運転時間が集中しないようにローテーション運転を行います。さらに、各々のコンプレッサーは大きな負担のかかるインバーター最大周波数での運転を避けるとともに発停回数をできる限り少なくなるように制御することで、高い信頼性を確保します。 また、万一コンプレッサー1台が故障してもバックアップ運転で対応します。
また、上段の熱交換器スペースと下段の部品スペースを分離する構造とすることで、電気部品や冷凍サイクル部品に雨水が直接かからないよう保護しています。
これらの信頼性を向上する技術の採用により、長期にわたり安心してご使用いただけます。

2. 業界で唯一、ヘッダー分岐注13後の再分岐が可能」
配管設計する方にとって、工事費の低減、省エネ性を考えて総配管長を短くしたいという要望があります。そこで、業界で唯一、ヘッダー分岐後の再分岐を可能とすることで、最適な配管引き回しを自由に行うことができます。


3. 高調波低減用の「クリーンコンバーター」(別売オプション)を準備
インバーター応用機器を多数台設置する場合は、高調波を低減し基準値以下とする必要があります。当社の高調波低減専用ユニット「クリーンコンバーター」は、室外ユニットに内蔵できるため、新たな設置スペースを設ける必要がありません。「クリーンコンバーター」は工場組み込み出荷のご要望にも対応します。

4.環境負荷への配慮
省エネによるCO2排出量削減に加え、鉛フリーハンダの使用、分解・リサイクルに配慮した構造設計をおこない、さらに設置後に廃棄する梱包は、木枠やダンボールを使わずビニールシート掛けとして資源削減を図っています。

  • 注13: 冷媒配管の分岐方式のなかで、ヘッダーを利用した1箇所から多数に分岐する方式。

新製品の概要

<室外ユニット>

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上記8~14馬力ユニットを最大3台組合わせて、8~42馬力まで全18機種を構成します。
室内ユニットは、現行機種を接続します。

環境への取り組みについて

 東芝グループは、「地球内企業」として持続可能な地球の未来に貢献するため、「東芝グループ環境ビジョン2050」を策定し、総合環境効率を2000年度基準で2050年度までに10倍に高める目標を掲げています。この実現に向け、「東芝がモノを作るときのエコ“Green of Process"」、「東芝の作る製品がエコ“Green of Product"」、さらに、効率の高いエネルギー供給機器の開発などの「環境技術で貢献するエコ“Green by Technology"」、の3つのGreenで地球との共生や豊かな価値の創造のための取り組みを行っていきます。
 東芝グループは、こうした環境への取り組みを一層加速するとともに、広く訴求するため、「ecoスタイル」をグローバル統一ブランドと定めています。

【お問い合わせ先】

 ■本資料についてのお問い合わせ先:広報室
  TEL:03-6409-1735
 ■お客様からの商品に対するお問い合わせ先:商品企画部
  TEL:03-6409-1594

プレスリリース記載の情報(商品価格/仕様、サービスの内容、お問い合わせ先等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。  

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以上

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