日本キヤリア株式会社

ニュースリリース

第64回(平成28年度)電気科学技術奨励賞を受賞
「空冷ヒートポンプ式熱源機におけるPWMコンバータの開発と実用化」

2016年12月13日

東芝キヤリア株式会社

 東芝キヤリア株式会社(取締役社長:近藤 弘和、所在地:神奈川県川崎市)は、2016年11月16日 “空冷ヒートポンプ式熱源機におけるPWMコンバータの開発と実用化"の技術において、技術者3名が公益財団法人電気科学技術奨励会より第64回電気科学技術奨励賞を受賞しました。

 同賞は、1952年(昭和27年)に設けられ、1962年(昭和37年)からは財団法人電気科学技術奨励会が主催している歴史ある賞で、電気科学技術に関する発明、研究・実用化、ソフトウェア開発、教育等で優れた業績を上げ、日本の諸産業の発展および国民生活の向上に寄与し、今後も引き続き顕著な成果の期待できる者に対し与えられるものです。

受賞対象及び受賞者
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       (左から)石田、森本、梁瀬

受賞した技術の概要

 近年、地球環境負荷低減を背景とし、空調機器のみならず、大形熱源機のインバータヒートポンプ化が急速に進んでいます。インバータ機器からは電路や接続機器に悪影響を及ぼす電源高調波成分を含むひずみ電流(電源高調波電流)が発生するため、その抑制が課題となっています。
 また、熱源機器の実使用における省エネ性を高めるためには、機器の定格出力の半分程度となる中間負荷運転領域や、さらに負荷の軽い軽負荷運転領域のシステム効率を高める必要があります。負荷の軽い運転領域では圧縮機モータが低回転となり、一般的に圧縮機モータの巻線数を増やすことでインバータ回路に流れる電流を低減し、回路の高効率化を図ります。しかし、巻線数を増やすことで、圧縮機モータが高回転となる高負荷運転領域においては誘起電圧※1が高くなり、モータの回転範囲に制約が生じるため、運転範囲を拡大できないという課題がありました。

1.電源高調波電流抑制による電源品質確保
 
今回開発した熱源機器用PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)コンバータ技術では、半導体を用いた高速スイッチングにより、入力電流がひずみの無い正弦波状になるよう制御することで、電源高調波電流を大幅に抑制し電源品質を向上させることが可能となりました。

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2.省エネと運転範囲拡大の両立
 PWMコンバータ技術で、運転状態に応じてインバータ回路電圧を制御することで、圧縮機モータの巻線数を増加させても運転範囲を拡大することができ、省エネ性の求められる軽負荷から中間負荷におけるシステムの高効率化と運転範囲拡大の両立を実現しました。

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 上記のとおり、電源高調波電流を抑制して電源品質を確保し、省エネと運転範囲拡大を両立させ、熱源機器向けに最適化したPWMコンバータを開発した点が評価されました。

 なお、本PWMコンバータは、当社空冷ヒートポンプ式熱源機の主力製品であるユニバーサルスマートX(エックス)3シリーズに標準搭載し、電源品質の向上(高調波制御ユニットを別に設置する必要がなくなることによる電源設備の低コスト化)と、熱源システムの省エネ化に寄与しています。

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  • ※1モータが回転する際の磁束変化で生じる電圧を誘起電圧といいます。モータ回転数が上昇すると誘起電圧も上昇します。誘起電圧がインバータ回路電圧(モータを回すための電圧)より高くなると、モータの運転範囲に制約が発生します。

環境への取り組み(ecoスタイルの追求)について

【東芝グループの環境ビジョンについて】
東芝グループは「地球と調和した人類の豊かな生活」を2050年の“あるべき姿"として描き、その実現に向けた長期ビジョンである「東芝グループ環境ビジョン2050」を策定しています。このビジョンのもと、Green of Product(環境性能No.1製品の創出)、Green of Technology(エネルギーの低炭素化技術)、Green of Process(モノづくりの環境配慮)、Green Management(基盤活動の継続的向上)の4つの「Green」で環境経営を推進し、エコ・リーディングカンパニーとしての地位確立をめざしています。

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