東芝キヤリア株式会社

ニュースリリース

空冷ヒートポンプ式熱源機『ユニバーサルスマートX』の新シリーズEDGE(エッジ)発売について

~世界最大級※1の大容量ロータリー圧縮機を搭載し、システム性能を追求~

2016年12月21日

東芝キヤリア株式会社

 東芝キヤリア株式会社(本社:神奈川県川崎市、取締役社長:近藤弘和)は、新開発した世界最大級の大容量DCインバータロータリー圧縮機を搭載し、高効率・高機能・コンパクトをコンセプトにした空冷ヒートポンプ式熱源機『ユニバーサルスマートX(以下、USXという。)』の新機種EDGEシリーズを開発、製品化しました。

 お客様の省エネ・省コスト等のご要望に応えるべく、空冷ヒートポンプ式熱源(空冷式チラー)とこれを核とした熱源システムの新しい在り方を提案し、高い信頼をいただいている当社ですが、EDGEシリーズは、USX従来機の高効率・高機能という“Edge(鋭さ・強み・先進性)"を研ぎ澄ませ、世界最大級の大容量の圧縮機を搭載しながらもコンパクト性を向上させました。その形状は、気流解析から生まれた、機能性・デザイン性に優れたUSXの独創的な「Xフレーム(X字筐体)」を継承しながら、上部の空気熱交換器セクションはそのままに、底部の圧縮機セクションを上部よりも約300mmコンパクトにした独自のEdge(エッジ)フォルムを採用し、コンパクト性、施工性、サービス性を追求しました。
 EDGEシリーズは、60馬力クラスで最高水準のIPLVc(低負荷時の運転効率を示す期間成績係数)5.3を実現した高効率モデルAIREDGE(エアーエッジ)、東北電力株式会社との共同開発による加熱性能強化モデル HEATEDGE(ヒートエッジ)、モジュール式チラーで国内最大クラスとなる大容量70馬力モデルPOWEREDGE(パワーエッジ)の3モデル(6タイプ)を2017年3月31日より発売する予定です。

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EDGEシリーズ共通の特長;5つのEdge

 EDGEシリーズでは、モジュール式チラー市場を切り拓いてきた当社の現場ノウハウやシステム提案力を活かし、当社の技術を更に進化させ、建物全体の省エネを考えたシステム性能を追求するとともに、容量・利用範囲の拡張とモジュール本体のサイズダウンを両立し、大規模物件においてもヒートポンプの利用を可能にしました。USX従来機(30、40、50馬力)とあわせ、お客様の多様なニーズにお応えします。
 ヒートポンプを高効率化し、モジュール本体のサイズも大型化した結果、お客様の利用範囲が縮小しては意味がありません。EDGEシリーズは先進技術を採用し、大型化せずにこの問題を解決しました。

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◆Edge1;全モデルの高効率化と熱源システム全体での省エネシステム構築を追求
 EDGEシリーズは、圧縮機をはじめとする各種構成部品の開発と各モデルに最適な制御設計により、全モデルで高い効率を達成しました。
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 モジュール本体の性能も重要ですが、それだけではお客様のニーズを十分満たしているとは言えません。セントラル空調システムにおける熱源は、機器本体だけで用いられることはなく、製造した冷温水を運ぶポンプ、その熱を負荷側(空気)に伝えるエアハンドリングユニットや熱交換器とあわせて用いられています。
 当社は、熱源本体の効率に加え、省エネや省コストに大きく影響する冷温水の搬送動力(ポンプの消費電力)にいち早く着目し、USX従来機においても必要な熱量に応じて送水の圧力や流量を変化させる「変流量変圧制御」、バイパス配管の無駄な送水を減らす「バイバス流ゼロ制御」等の技術により搬送動力の低減を実現してきました。EDGEシリーズではこれらの制御技術を進化させ、更に新型水熱交換器の採用により、配管内の水圧の損失をUSX従来機の約半分にすることで更なる搬送動力の削減を実現しました。
 また、電気料金の約半分を占めるといわれる基本料金は、COPが高いほど抑制される傾向にありますが、力率85%以上の機器には割引が適用されます。EDGEシリーズでは、USX3シリーズで実績のある「三相PWM制御※4」による力率99%を継承し、省コスト化に貢献。電気基本料金は力率85%時に比較して約15%の抑制※5が可能です。
 
◆Edge2;大規模空調や低外気温度下での空調ニーズに応えて熱源の利用領域を拡大
 EDGEシリーズは、世界最大級の大容量インバータロータリー圧縮機を用いることにより、60馬力(AIREDGE)から最大70馬力(POWEREDGE)の大容量モデルまでをラインアップしました。また、外気温度-20℃においても出口温度45℃を可能(HEATEDGE)とするなど、それぞれのモデルに最適な制御を開発することで、熱源の利用領域とその可能性を拡大しました。 
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◆Edge3;狭小スペースでの大容量熱源利用を可能とした、エッジフォルム採用のコンパクト設計
 当社モジュール式チラーの特色である、機能性・デザイン性に優れたUSXの独創的な「Xフレーム(X字筐体)」を継承しながら、上部の空気熱交換器セクションはそのままに、底部の圧縮機セクションを上部よりも約300mmコンパクトにした独自のEdge(エッジ)フォルムを採用。
 これにより、配管スペースはUSX従来機よりも約400mm縮小し、コンパクト性、施工性(設置工事のしやすさ)、サービス性(修理・メンテナンスのしやすさ)の向上を実現しました。機器を設置する際の基礎ベースとなる底面積を1,000mm×3,000mmとすることで、今まで大容量熱源をご利用できなかった狭小スペースへの設置を可能とし、経年機種からのリニューアル需要に柔軟に対応することができるようになりました。
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◆Edge4;燃焼式熱源機との多様な併用運転に対応
 お客様における最適な熱源システム構築を図るため、熱源を連結した際に用いるグループコントローラに、吸収式冷温水発生機やボイラーなど燃焼式熱源機とチラーの併用運転※6機能を追加しました。エネルギーコストや季節に応じ、省エネを最大化する最適な運転パターンを選択することができます。
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◆Edge5;モジュールコントローラに無線LAN機能を標準搭載
 EDGEシリーズは、モジュールコントローラに無線LAN機能を標準装備し、専用のお客さま向けアプリ、サービス用アプリをご提供します。お客さまご自身で消費電力、出入口温度等のデータをタブレットやスマートフォン等の端末に取り込み、最適な運転の検討を行うことができます。また、データ収集時にサービスパネルを開ける必要がなく、悪天候でも安全、かつ短時間で作業ができるようになりました。
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AIREDGEの特長

1.60馬力クラス最高水準の期間成績係数を達成
 圧縮機の最適なチューニング、熱交換器や送風機をはじめとする冷凍サイクルの抜本的な見直しにより、標準タイプにおいて、COP3.18IPLVc5.3の高い運転効率を達成しました。

2.卓越した省エネ性能を実現
 高COPタイプ(散水)では、更に高い運転効率IPLVc6.0を達成しました。散水ノズルや配置を最適化することで、散水量は馬力あたりUSX従来機比17%低減となり、特に冷却負荷が高い用途において省エネと環境に貢献します。

HEATEDGEの特長

 HEATEDGEは低外気温地域における豊富なノウハウを有する東北電力株式会社と共同開発※7を行いました。リゾートホテルでの実証試験において、複数の制御パターンを繰り返し実証し、省エネ性と快適性のバランスのとれた最適な制御を開発しました。

1.外気温度マイナス20℃ 温水出口45℃を実現
 新開発の大容量ロータリー圧縮機をHEATEDGE用として更にチューニングすることにより、外気温度マイナス20℃時の最高温水出口温度45℃、外気温度マイナス15℃時の最高温水出口温度50℃の供給を可能としました。

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2.デフロスト運転時の能力低下を抑制
 デフロスト運転では加熱能力の一部を使用して霜を溶かすため、温水出口温度が急速に低下するコールドショックと呼ばれる現象が発生することが、低外気温下におけるヒートポンプの課題でした。東北電力株式会社と当社は、デフロスト中の加熱能力を高め、コールドショックを最小にする最適な制御を開発しました。
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POWEREDGEの特長

1.狭小スペースへの設置に対応
 大容量70馬力(200kW)により、スペースが限られた場所への据付けを可能にします。設置スペースが無く物理的に設置困難であったお客様にも高効率なヒートポンプをお届けできるようになりました。例えば、1000kw級システムをUSX従来機(50馬力クラス)で構築する場合は26.7㎡のスペースが必要なのに比べ、POWEREDGEを採用して構築した場合は16.9㎡と、約37%も設置スペースが削減できます。これにより施工コスト等の削減が可能です。

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2.高COPタイプをラインアップ
 標準機同様、高COPタイプ(散水)をラインアップしました。大容量においても高い効率での運転が可能となりました。

ラインアップ

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  • ※12016年12月現在。空冷ヒートポンプ式熱源機(空冷式チラー)において。当社調べによる。
  • ※2COP(Coefficient Of Performance)成績係数。入力エネルギーに対する利用エネルギーの比率。
    定格冷却COP:外気温度35℃ DB、冷水入口14℃、冷水出口7℃(出入口7℃差)の時の値を示します。
    ( )内は、JRA4066・2014「ウォータチリングユニット」に基づく、冷水入口12℃、冷水出口
    7℃(出入口5℃差)の時の値を示します。内蔵ポンプの消費電力は含みません。
    定格加熱COP:外気温度7℃DB/6℃WB、温水入口38℃、温水出口45℃(出入口7℃差)の時の値を示します。
    ( )内は、JRA4066・2014「ウォータチリングユニット」に基づく、温水入口40℃、温水出口
    45℃(出入口5°C差)の時の値を示します。内蔵ポンプの消費電力は含みません。
  • ※3IPLV(Integrated Part Load Value)期間成績係数。部分負荷特性を加味したCOPの加重平均。
    IPLVc(冷却IPLV)は、JRA4066・2014「ウォータチリングユニット」に基づく値を示します。
  • ※4PWM(Pulse Width Modulation)制御とは、パルス幅を変調させることで所望の出力電圧(電流)を達成する技術。
  • ※5熱源機が単独消費する消費電力を比較した場合であり、建築物全体の基本料金とは異なります。
  • ※6燃焼式熱源機の遠隔制御仕様、チラーの容量バランス等によっては併用運転できない場合があります。
  • ※7東北電力株式会社(本社:宮城県仙台市、取締役社長:原田宏哉)と当社がヒートポンプシステムの更なる普及拡大を目的に、加熱性能を強化した空冷ヒートポンプ式熱源機を共同で開発しました。
  • ※8高圧ガス保安法第5条、同施行令第4条による高圧ガス製造届書を製造開始の20日前までに都道府県知事に届け出る必要があります。

お問い合わせ先

【製品に関するお問い合わせ先】
 東芝キヤリア株式会社 国内商品企画部 熱源企画担当 TEL:044-331-7414

【発表内容に関するお問い合わせ先】
 東芝キヤリア株式会社 広報室 TEL:044-331-7401

添付資料

■外観

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■基本モジュール仕様表
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  • ※1定格冷却能力/COP
    外気温度35℃ DB、冷水入口14℃、冷水出口7℃(出入口7℃差)の時の値を示します。( )内は、JRA4066・2014「ウォータチリングユニット」に基づく、冷水入口12℃、冷水出口7℃(出入口5℃差)の時の値を示します。内蔵ポンプの消費電力は含みません。
  • ※2定格加熱能力/COP
    外気温度7℃DB/6℃WB、温水入口38℃、温水出口45℃(出入口7℃差)の時の値を示します。( )内は、JRA4066・2014「ウォータチリングユニット」に基づく、温水入口40℃、温水出口45℃(出入口5°C差)の時の値を示します。内蔵ポンプの消費電力は含みません。
  • ※3IPLV(Integrated Part Load Value)期間成績係数。部分負荷特性を加味したCOPの加重平均。
    IPLVc(冷却IPLV)は、JRA4066・2014「ウォータチリングユニット」に基づく値を示します。
  • ※4高圧ガス保安法第5条、同施行令第4条による高圧ガス製造届書を製造開始の20日前までに都道府県知事に届け出る必要があります。

東芝グループの環境ビジョンについて

東芝グループは「地球と調和した人類の豊かな生活」を2050年の“あるべき姿"として描き、その実現に向けた長期ビジョンである「東芝グループ環境ビジョン2050」を策定しています。このビジョンのもと、Green of Product(環境性能No.1製品の創出)、Green By Technology(先進的低炭素化技術のグローバル展開)、 Green of Process(グローバルNo.1の低環境負荷追求)、Green Management(環境基盤活動の継続的向上)の4つの「Green」で環境経営を推進しています。

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