ニュースリリース
「世界初の家庭用インバータ・エアコン」が未来技術遺産に登録
インバータの小型化・軽量化が家電製品応用につながるなど、画期的な技術開発が高く評価
2019年09月11日
東芝キヤリア株式会社
東芝キヤリア株式会社(本社:神奈川県川崎市、取締役社長:久保 徹)は、1981年に開発した家庭用インバータ・エアコン(「インバータ駆動エアコン」RAS-225PKHV)が、国立科学博物館が選定する2019年度の「重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)」に登録されたことをお知らせします。
当時のエアコンは消費電力が大きいことが大きな欠点とされていましたが、コンプレッサを駆動するモータの回転数をインバータで細かく効率的に制御することにより、低消費電力での運転を実現したこと、またインバータの小型化・軽量化等の技術開発がその後の多くの家電製品での応用につながったこと等が評価されました。なお、登録証・記念楯授与式が、9月10日に国立科学博物館 日本館にて開催されました。
東芝の世界初家庭用インバータエアコン画像 (JPG:1.93MB)
エアコン技術史に大きな革命を起こしたインバータ・エアコン
今回登録された「インバータ駆動エアコン」は、1981年に東芝が世界で初めて開発したインバータを搭載した家庭用エアコンです。インバータを搭載したエアコンが登場する以前はコンプレッサのモータでON/OFFの制御しかできなかったため、コンプレッサは常にフルパワー運転、あるいは停止状態という極端な運転しか出来ませんでした。しかし、インバータユニットが搭載されたことで、コンプレッサのモータ回転数を細かく効率的に制御し、負荷状態に応じてエアコンを最適に運転できるようになりました。これにより強力な冷房・暖房能力を発揮させ、短時間で設定温度に達することができ、設定温度に達した後は、低パワーの運転を行い、室温を設定温度付近で保てるようになりました。このことはエアコンの快適性・経済性を格段に向上させると共に、それまで冷暖房兼用機はあったものの冷房主体であったエアコンが冷房も暖房も同等に能力を発揮できるようになる等エアコン業界全体を大きく動かし、エアコン技術史に大きな革命を起こしました。また、ここでのインバータの小型化、軽量化等の技術はその後の多くの家電製品での応用につながりました。
重要科学技術史資料(未来技術遺産)
「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」とは、独立行政法人国立科学博物館(産業技術史資料情報センター)が、日本の科学技術史資料のうち、「科学技術の発達上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの」や「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたもの」に該当する資料を選定し、「重要科学技術史資料登録台帳」に登録しているもので、2008年度から毎年行われています。
当社では2018年度の「ロータリーコンプレッサB型シリーズ」に続き、二件目の登録となります。
なお、今回登録された「インバータ駆動エアコン(RAS-225PKHV)」のパネル展示が、9月23日までの間、国立科学博物館・日本館にて行われています。
さらに進化を続ける当社のインバータ技術
冷凍・空調市場を切り拓いてきた東芝のインバータ技術は、当社へと引き継がれ、その後も数々の開発を経て、2019年には大容量空調機の省エネ性向上と小型化に貢献できるインバータ技術として店舗・オフィス用エアコンやビル・工場用空調システムに搭載した「空調用低損失昇圧チョッパ回路の開発」へと進化を続けています。
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【本発表内容に関するお問い合わせ先】
東芝キヤリア株式会社 広報室 ℡044-331-7401
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