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プレスリリース

空気熱源式循環加温ヒートポンプ「CAONS (カオンズ)700タイプ」の発売について
-70kW機追加でシリーズ拡充!大規模産業プロセスから業務用まで幅広く対応する循環加温ヒートポンプ-


2012年6月26日
東芝キヤリア株式会社

 東芝キヤリア株式会社(取締役社長:井上章、本社所在地:東京都港区)は、産業分野での加温処理工程から業務分野での浴槽保温までの様々な用途向けに、適切な温度の熱を効率よく供給可能な循環加温ヒートポンプ「CAONS (カオンズ)700タイプ」*1(加熱能力70kW、最高出口温度90℃)を、本年8月から発売します。

  産業分野における加温処理には、原材料等の洗浄、脱脂、原料加温、溶解、加熱殺菌など、色々な用途例がありますが、多くの場合、ガス・油焚き、または電気式のボイラやヒータが熱源として用いられ、省エネに関する取り組みに課題を抱えていました。
  当社では、こうした工程の省エネ化のニーズにお応えし、加温処理工程の近傍に分散配置できる、屋内設置型で小・中容量の循環加温ヒートポンプをこれまで商品化してきましたが、加温処理システムの規模や既存ボイラ・ヒータの種類は多様であり、さらに大容量で汎用性の高い商品へのご要望もお客様から寄せられていました。また、業務分野においても、大浴槽の保温やヒートポンプユニットへ給水できない温泉水・地下水の間接加温など、ヒートポンプの普及があまり進んでいなかった用途を中心に、大容量化した商品への期待が高まっていました。

  そこで、新製品「CAONS 700タイプ」では、循環加温ヒートポンプとして最高温である出口水温90℃までの運転を可能としながら、ユニットの加熱能力を70kWとし、さらに最大16台のグループ制御も実現しました。運転効率面では、加熱COP3.6*2を達成し、システム設計や運用管理が容易な屋外設置型の空気熱源式でありながら、高い省エネ性との両立を図りました。
  また、オプションのポンプキットを用いれば、給水を行いユニット入口水温が低くなる場合でも、流量制御により最大85℃の温度差をとって高温水を取り出す昇温運転が可能です。

  「CAONS 700タイプ」の主な特長は、以下のとおりです。

本製品の主な特長

1.最高出口温度90℃、70kWユニットのグループ制御で対応温度域・規模の範囲拡大

 循環加温ヒートポンプとしての最高温である出口温度90℃までの運転が行えることで、原材料等の洗浄、脱脂、加温、溶解、加熱殺菌など幅広い用途に採用できます。外気温−20℃でも90℃の高温水を取り出すことができ、寒冷地での使用も可能としました。また、加熱能力70kWのユニットは、16台までグループ制御して最大1,120kWのシステムを構築できるため、大規模な加温処理工程へも適用が可能となりました。

2.優れたエネルギー消費効率で大幅な省エネルギーと省コストを実現

 高効率ロータリインバータ圧縮機と二元冷媒サイクルを用いて、加熱COP3.6*2を達成、中間期でもCOP3.1*2の高い効率で運転でき、従来システムと比べて約6割もの大幅な省エネルギーとエネルギーコスト削減*3が実現可能です。

3.空気熱源式でシンプルなシステム設計と容易な運用管理

 空気熱源式の一体構造・屋外設置型ユニットであり、水熱源式のような熱源水供給が不要なため、システム設計がシンプルで配管施工も少なくて済みます。ガスや油焚きのボイラ・ヒータと比べた場合も、燃焼部がないので、点検やメンテナンスにかかる時間やコストを削減することができ、また、設備管理面からも安全です。

4.最大85℃差の昇温運転を行い一過式の利用方法にも対応

 オプションのポンプキットを用いれば、ポンプと三方弁による流量制御で、最大85℃差の昇温運転を行うこともできます。これにより、低温水を給水し高温水を取り出す一過式の利用方法が可能ですので、複数のユニットにて、循環加温と一過式の系統を併せ持つ温水ボイラ・ヒータのシステム同様の使い方にも対応できます。 

  • *1:空気熱源式循環加温ヒートポンプ「CAONS (カオンズ)700タイプ」
    空気熱源式循環加温ヒートポンプは、空気熱交換器、水熱交換器、圧縮機などの主要部品で構成され、HFC冷媒を使用して空気中から熱を汲み上げ、循環する二次媒体の水を加熱する熱源機です。利用側では、二次媒体の水(高温水)で運ばれた熱が利用されます。また、「CAONS (カオンズ)」の名称は、東芝キヤリア株式会社が販売する空気熱源式循環加温ヒートポンプを総称したネーミングです。「700タイプ」は加熱能力70.0kWを表しています。

  • *2:加熱COP3.6,中間期でもCOP3.1
    COPとは、成績係数(せいせきけいすう、CoefficientOfPerformance)ともいい、加熱/冷熱機器や空調機器などのエネルギー消費効率の目安として使われる係数のことです。COP=加熱能力(kW)/消費電力(kW)で定義され、この値が大きいほど省エネルギー性が高いことを示します。本製品の加熱COP3.6は、温水出口65℃、周囲温度乾球25℃/湿球21℃の条件における値です。また、中間期のCOP3.1は、温水出口65℃、周囲温度乾球16℃/湿球12℃の条件における値です。
  • *3:従来システムと比べて約6割もの大幅な省エネルギーとエネルギーコスト削減
    省エネルギーと省コストの効果については、東京、名古屋、大阪それぞれの地区を想定し、一定の条件の下、試算した結果の平均です。実際の運転状態によって効果は変動します。
    [試算条件]
    蒸気ボイラ式のシステム効率を50%とし、本システムは各月の平均外気温度(理科年表)を当てはめ、補機の消費電力は含まない条件で試算しています。

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空気熱源式循環加温ヒートポンプ「CAONS (カオンズ)」全ラインアップ概要

  空気熱源式循環加温ヒートポンプ CAONS
45タイプ
(販売中)
140タイプ
(販売中)
700タイプ
(新製品)
形名 HWC-H451H HWC-H1401S HWC-H7001H
製品写真 室外機画像 室外機画像 室外機画像
外形寸法
(W×D×H) [mm]

<一体型>

900×320×1340

熱源ユニット:
900×320×1340

供給ユニット:
900×320×700
<一体型>
2070×1080×2300
定格電源 3相
200V50/60Hz
3相
200V50/60Hz
3相
200V50/60Hz
加熱能力*注[kW] 4.5 14.0 70.0
COP*注 2.5 3.5 3.6
出口温度範囲 [℃] 30〜64 50〜90 50〜90
入口温度範囲 [℃] 25〜60 40〜85 5〜85
  • *注:周囲温度条件:乾球25℃/湿球21℃、 出口温度条件:45タイプは64℃、140タイプと700タイプは65℃

 工場の加温処理工程で課題となるエネルギーコスト対策へのご提案として、昨年度より発売してきました空気熱源式循環加温ヒートポンプ「CAONS 45タイプ」と「CAONS 140タイプ」に、本製品「CAONS 700タイプ」を加えたことで、利用される温度域、加熱負荷の規模の両方を幅広くカバーできることとなり、より多くの用途、ニーズにお応えすることが可能となります。

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用例1.[産業分野]塗装工程における塗料の加温

用例2.[産業分野]パレット洗浄工程における洗浄水の加温

用例3.[業務分野]昇温運転による「一過式」の利用方法

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環境への取り組みについて

 東芝グループは、「地球内企業」として持続可能な地球の未来に貢献するため、「東芝グループ環境ビジョン2050」を策定し、総合環境効率を2000年度基準で2050年度までに10倍に高める目標を掲げています。この実現に向け、「東芝がモノを作るときのエコ“Green of Process”」、「東芝の作る製品がエコ“Green of Product”」、さらに、効率の高いエネルギー供給機器の開発などの「環境技術で貢献するエコ“Green by Technology”」、の3つのGreenで地球との共生や豊かな価値の創造のための取り組みを行っていきます。
  東芝グループは、こうした環境への取り組みを一層加速するとともに、広く訴求するため、「ecoスタイル」をグローバル統一ブランドと定めています。

【お問い合わせ先】

■製品に関するお客さまからのお問い合わせ先
〒108-8580 東京都港区高輪3丁目23番17号
東芝キヤリア株式会社 商品企画本部 熱源企画担当 TEL:03-6409-1640
■発表内容に関する報道機関からのお問合せ先
東芝キヤリア株式会社 広報室 TEL:03-6409-1596

プレスリリース記載の情報(商品価格/仕様、サービスの内容、お問い合わせ先等)は、発表日現在の情報です。
予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

以上

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